オジギビト衆の中には、違う人物が同じメッセージを殆ど同じ仕草で伝えている例がしばしば見られる。ここでは、その中でも特に目立つ(数がある程度揃っている)例を紹介したい。それらの中でいったい誰が最初に現れたのかを知るのは困難……というかほぼ不可能と思われるので、あまり難しい事は考えずに、あくまでも「オジギビト衆の典型的行動パターン」を楽しむ方向としたい。
以下の例は、内輪型・整理整頓タイプと本集会所で呼んでいるものである。
整然と積まれた資材の前で、右手でOKのサインを出している人が7人。いったい誰が最初に、こういう形で整理整頓を呼びかけ始めたのだろう。少なくとも、白い背景と資材の上の菱形の煌めきという独自の特徴を持つ住友不動産の人(下から2番目の例)ではなかろう。住友不動産の他は全て、資材の積み方が全く同じである(但し合計本数は異なる)。
住友不動産は独自路線を進むのかと思ったら、最近現れたと思われる人(一番下の例)は、幾分他の人々に倣う形になったようである(かぶ氏提供・大阪府枚方市)。やはり資材の積み方は、伝統に倣って(?)こうでなければ……と思わせる。
次の例も、内輪型・整理整頓タイプに属するものである。
整理整頓タイプのもう一つの「定型」と言えそうなのが、このような縦置き立方体整理整頓中のものである。上から二番目の「理」を押す形が、このタイプではスタンダードのようである。同様の縦置き立方体の形を取るものは「4S運動」や「災害0への挑戦」がある。
次の例は、犠牲者型と本集会所で分類しているものである。タイプ分けするならば、「フキダシ回想タイプ」とでも言うべきものである。
一目で分かる通り、見事に同じパターンである。住友は例によって(?)、少しばかり独自色を出そうとしているようであるが。
「街角のオジギビト」(筑摩書房・2007年)121ページにある、とり氏が86年に撮影された犠牲児童(子供1)こそが、もしかするとこのタイプの第1号なのかもしれない。是非一度、この犠牲児童に遭いたいものである。
他にも幾つか、違う人が同じような仕草をしている例があるが、それらはもう少し数が揃ってから、またここで紹介したい。