先の記事では、新型コロナ対応としてマスクを装着した交通系の「ダメヨマン」を紹介した。新型コロナウイルス感染症の流行により、工事現場においても感染症対策に関する注意喚起のための掲示が見られるようになってきた。
これは、2020年の4月下旬に、京都市北区の現場で撮影された例である。
当時まだ目新しい言葉であった「ソーシャルディスタンス」の実行と、伝統的な風邪予防手段「手洗い・うがい」に関するものである。緑色の養生テープで貼り付けられているのが、(大変失礼ながら)急ごしらえ感を演出している。
「密を避ける」「手洗い・うがい」「マスク着用」を文字のみながら明確に示した垂れ幕が、次の例である。撮影地は釧路市新富士(2021年8月中旬)である。
先の京都のものは素材集などから作られたと思われる、恐らく現場レベルでも用意できるものだが、これは完全な「製品」と思われる。まあこの時点で既に1年以上もこの状況が続いているわけだし、工事現場用品業界としても、コロナ対応商品の開発および販売は、至極当然の流れであったと言えるだろう。これは文字のみで、正直なところ少々寂しい感もあるのだが、やはりさらに凝ったものも登場していた。
撮影地は釧路市武佐(2021年10月中旬)である。マスク着用の人(耳たぶが実に立派……)が、消毒されてピカピカの手のひらを披露している。ウイルスたちも困り顔で退散中である。三密に関しては言及無しだが、実際の現場作業で互いに2メートル以上の距離を……というのはなかなか困難ではないかという問題と、垂れ幕としてのデザイン上のまとまりを考慮して、消毒・除菌&マスク着用にメッセージを絞ったのかもしれない。ちなみに左上には、緑十字の一つ「安全衛生旗」(労働衛生旗と安全旗の複合型)が描かれている。
現在全国の現場で、同様のコロナ対応掲示が出てきていると思われるが、このコロナ禍が一応収束した後も、工事現場における感染症関連の注意喚起は継続してなされることになるのだろうか。その辺も含めて、今後も長期的視点で追っていきたい課題である。
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