工事現場で掲示される各種看板や仮設の塀などに描かれる絵は、着実に進化を続けているように思われる。マンガ・アニメ的なタッチで、あるワンシーンを切り取ったような、一枚絵の美しい作品として成立しているものも、しばしば見掛けるようになってきた。
本部長が京都に住んでいた2018年10月半ばに、近畿ローカルと思われるＮＨＫのニュースで、「大津市で今、マンション建設ラッシュ」的なニュースが流れたのだが、その時紹介された、JR大津駅すぐ脇の建設現場が「これはなかなかスゴそう！」という感じだったので、休みの日に早速見に行ってみた。
「マッハGoGoGo」の三船剛では？と思わせる青年が、爽やかに微笑んでいる。オープニングで、こんな感じのシーンがあったような記憶がおぼろげながら……。どうであろうか。
ＮＨＫのニュースで、繰り返し（やや遠映しながら）出ていたのが、この女の子である。元ネタはあるのかどうか不明だが（こういう二次元娘はかなり多いだろうし……）、描いた人の完全オリジナルであろうか。
ちなみに株式会社淺沼組の現場であった。これら2つの垂れ幕掲示は、垂れ幕の上に直接イラストが描かれたのではなく、手描き絵をスキャンして、大判プリンタで印刷したものかもしれない。淺沼組の社員の方が描いたのであろうか。だとすれば至る所に「腕におぼえあり」の「画伯」は居るものであることだなあ、としみじみ（？）思う。
そして本部長が釧路市に移った後の2021年8月、市内在住のA様から、「釧路大橋のすぐ傍の小さい橋のところに、橋の耐震工事を知らせている少女マンガ風の工事現場看板がある」との情報を得たので、見に行ってみた。
これらは、「釧路大橋の傍の小さい橋」＝新川橋（という橋だったはず、確か）のすぐ西側にある丸彦渡辺建設株式会社釧路支店の敷地前に掲げられていた看板の写真である。アニメ塗りの美男美女4人が、爽やかな笑顔で工事への協力をお願いしている。
この看板からすると、丸彦渡辺建設自体は耐震工事には関与しておらず、株式会社田中組・新太平洋建設株式会社・明盛建設株式会社のJV（共同企業体）による工事の模様である。
なおこの4人に関する情報は、田中組、新太平洋、明盛いずれのサイトでも（さらりと見ただけでは）情報が得られなかった。看板自体にも何ら情報の記載は無いのだが、もしかすると裏にこっそりデータ的なものが記載されているのであろうか。
「少女マンガ風」で思い出したのが、2016年の7月に北海道支部長から送られてきた、釧路市阿寒の「道の駅」建設現場の掲示である。
注目したいのは、右下隅のマルＣマーク付き「小畑友紀／釧路建設業協会」という記載である。小畑友紀氏は釧路市在住の漫画家で、地元の有名漫画家である小畑氏に、釧路建設業協会が作画を依頼したものと推定される。
「建築屋がいた」という言葉は、小畑氏の作品「僕等がいた」（2005年に第50回小学館漫画賞少女向け部門を受賞、アニメ化および実写映画化もされている）に掛けたものであろう。しかし2020年半ばから現在に至るまで、残念ながら本部長自身は、この掲示が見られる現場には全然出会えていない。既に「退役」という扱いなのだろうか。だとすると非常に勿体ないので、釧路建設業協会が関与している現場では今後もバンバン出して戴ければ……などと、勝手なことを思ってしまう。
ところでもしも、小畑氏が「オリジナルの直立不動型オジギビトをデザインして下さい」と依頼されたら、果たしてどのようなものを描かれるだろうか。上の写真のような感じとは打って変わって、意外と（？）スタンダート中のスタンダードで纏める方向かもしれない。
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