予定通り、3月末日を以て旧オジギビト集会所跡地および旧本部長室は自動的に消滅する。ここではこれまで旧本部長室で紹介した、工事現場路上観察などの過程で出会った種々の路上物件について、資料保存の意味も込めつつ再度紹介したい(加筆補正あり)。なお、記事の並び順は、写真の撮影年月日の順である。
ランボオ怒りの鳥取
この写真は、2009年5月に、鳥取市内で見かけたレンタルビデオ店である。「何か見た事あるような人が高いところにいるぞ」と思いつつ近づいてみたら、RPGを携えたジョン・ランボーが!! 「ランボー 怒りの脱出」のポスターやソフトのパッケージなどでお馴染のポーズなので、見覚えのある方もおられるだろう。
この看板、お店の方が自分で一生懸命描かれたのだろうか。絵の巧拙はまあ置いておいて、「味」のあり無しで言えばこれはもういい味出しまくりである。
しかしもう既に11年以上も経過している。今もまだこのランボーは健在かどうか、心配になってしまうが……。
ピクトさん、走って走らされる
2009年10月、知人らと共に京都から鳥取に行って帰る際、(記憶が確かならば)神戸市内で見かけたトラックである。
荷台に何故か、誰もが知るあの非常口駆け込みピクトさんが……。
いったいどういう事か?と思いつつ、本部長は助手席から写真に収めたわけだが、こうして久々に改めて見てみると、このピクトさん看板、わりとしっかり括りつけられているようで(当たり前か)、単に一時しのぎでぶら下げられているとかではなさそうである。ちゃんと荷台の中心に来るように位置決めもされているようだし。
このピクトさん看板、単に飾りと片づけるには惜しいような存在感があるが、もしかして何か深遠な意味、役割があるのだろうか……。
差別か区別か
下の写真は、撮影は2011年12月4日、京都大学(京都市左京区)構内で撮影されたものである。
大学としては当然のことであるが、シンナーとかトルエンとかの吸引者が素直に従うとも思えない……というかこういう文章をそもそも読んで意味が取れるのか?というのも、まことに残念かつ失礼ながら確実に沸き起こる疑問ではある。
この掲示(看板)における最大の問題は、シンナー等吸引者の立入禁止を、「差別」と「批判」している……というかツッコミを試みたらしい、実に下らない楽書きがあることである。
まあこのツッコミは面白くも何ともないのだが、より「深刻」な問題は、「差別」の「差」の字が間違っていることである(上の写真の右上に、正しい漢字を示した)。よく見ると「別」の「口」も、正しい書き順ではなく、ただのマルを書いたものと思われる。
京大生が面白半分で書いた楽書きなのだろうか。あるいは禁止された方の吸引者の皆さんが、腹立ち紛れに書いたのだろうか。なるべくならば、残念この上ないので前者でないことを祈りたいところである。しかし、ぱっと見で「差別」と読めはするが、個々の字をもう少しよく観察すると「なんだこりゃ?」と思わせるという、人間の文字識別に関する何かスゴいからくりを仕掛けてのことなのだろうか……そんなはずはないか。ただこの場合は、「差別」ではなく、特定の事例(シンナー等吸引者)に対する、大学側からすると十二分に合理性のある命令ということを考慮すると、「区別」の方ではないかと思わなくもない。
いずれにしても、そもそもこういう掲示に楽書きなどしてはいけない。
しかしこのような掲示を出さねばならないほど、現在(少なくとも2011年時点)でも、シンナー等吸引者が京大構内に侵入しているのであろうか。
(この掲示自体は痛みも少なく、シンナー遊びがもっと深刻だった時代(1970年代あたり?)からずっとあるとも思えないし……)
珠算児童の挑戦
2014年の6月6日は、その年初めて蚊に刺された日であった。蚊に刺されたのは川べりで、何となくその予感があったのだが、以下に示す写真を撮影している間であった。
とあるそろばん教室に貼られていたポスターである。内容的には至ってまともではあるが、やはりそろばんをはじくこの児童らには、その場をただ素通りする事を許さない何かを感じずにはいられなかった。特に、目と眉の間の薄い影が、何というかある種の「念」を放出していそうな感じが……。
この3人、突然一斉に顔を上げ、全く表情を変えずに「僕たちと」(男の子)「私たちと」(女の子)「一緒に楽しくそろばんしましょう」(三人)と抑揚無く喋りそうである。近隣の児童はその誘いに乗って、どんどんそろばんを習えばよろしいと思う。
ちなみに本部長は小学校の授業で少しそろばんを習った程度で、今は当然ながら全くダメである。
そういえば確かA.C.クラークの短編で、危機に陥った宇宙船の乗員が、そろばんを駆使して軌道計算を行う話があったような記憶が……いや、これは明白なネタバレか。(タイトル出していないし、まあ大目に見ていただければ)
コッチヲ見ロォ……!
既に桜が殆ど散りきった頃の京都市北区某所を歩いていたら、ある建物の壁に何か白っぽい張り紙が貼ってあるのに気づき、近寄ってみたらこんな危険なものであった。
オーラを纏った猫らしきモノが、バットを持って「無断駐車禁止」を訴えている。無断駐車をしたら、多少手荒い対応もしてしまうかもしれないのでそのつもりで……という、家主の意思表示であろうか。全体の感じとしては、一見するとあまり怖そうな感じではないものの(むしろカワイイ方面か)、逆にそれが凄みを与えて怖い!という見方も可能である。
まあいずれにせよ、無断駐車はここでもここ以外の場所でも厳に慎むべきであろう。
工事現場を見て歩く路上観察の途上で出会った様々な物件はまだまだ他にもあるが、今回は旧本部長室での紹介分までということにしたい。旧集会所の特別室入口で紹介していたものなど、他にもまだ幾らかあるのだが、それはまた別の機会ということで。
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