ちょうど16年前、すなわち2006年4月の台湾・台北市の現場で遭遇した人々は、オジギビト「モドキ」などではなく、日本と同様のオジギビト衆だった。
日本国内でも全く違和感なく現場に立つ事ができそうな人々ばかりであるが、多少マンガ的な傾向が強めなのが、台湾オジギビト衆の特徴と言えそうである。日本オジギビト衆の分類を当てはめる事もできなくはないが、ここでは伝えているメッセージで分ける事にしたい。台湾オジギビト衆の場合、その方が分類しやすいようである。
「ご迷惑をおかけしております」
一番最初の二人は、一般的な直立オジギビトと言えるだろう。日本でこのメッセージを伝える人々は、大抵の場合、直立不動型である。しかし2番目と3番目の人々を見た感じでは、台湾では他にも、いろいろなタイプがいそうな感じである。
「入ってはいけません」
日本では主にベンケイ型や見得切り型の人々が伝えているメッセージだが、台湾でも同様に見得切りポーズで進入禁止を示している人がいた。進入禁止の標識(日本のものと同じようである)を指差すのも、オーソドックスな示し方と言えよう。
「安全帽を被って下さい」
1番目と2番目の人は、安全帽を被っているので少々の物が頭の上に降ってきても全く大丈夫な様子を示している。しかし最も右の人は、安全帽を被っていてもかなり痛い目に遭っているようである。
ちなみに1番目の破れ具合からも見て取れるように、台湾の工事現場の掲示は、板ではなく薄いシートが一般的なようである。16年経過した今はどうだろうか。たぶんシートが使われているとは思うが。
西日本でおなじみの彼
主に西日本で活躍中の人が、台湾でも仕事をしていた。彼は台北市に出張中ということだろうか。もしかすると、彼は台湾出身という可能性もあったりするのだろうか……と、彼に出会った時は思ったものである。
しかし、彼の看板は2枚とも薄いシートではなく、ある程度の厚みのある「板」である。このことから察するに、やはり彼は日本から出張してきた可能性がより高そうである。
楽書き被害者
オジギビト衆の中には、顔に楽書きをされたりすることもあるのは、先の記事でも紹介した通りである。
やはり台北にも、そのような被害に遭った人がいた。立派な緑のヒゲが生えている。
16年経った今、台湾のオジギビト衆はどんな変化、進化を遂げているだろうか。今はいろいろな事情で、なかなか訪れることも難しい状況であるが、いずれまた台湾のオジギ衆に再会したいものである。まあそうした機会の到来も「巡り合わせ」である。思いがけずそれがやってくるのを待ちたい。