オジギビト集会所本部長室R

路上観察サイト「オジギビト集会所」本部長のブログ

【海外オジギビト】東南アジアの現場の人々

 これまで、台湾、中国、そして韓国の現場の人々について紹介してきた。

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 今回はさらに南下して、東南アジアの現場で活躍している人々を、何人か紹介したい。なお、今回もやはり、全て「いただきもの」である。皆様どうも有り難うございました。

フィリピンの現場警告衆と直立衆

 フィリピンでも、なかなか面白い人々が活躍していた。

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フィリピン・マニラ市 アジア開発銀行近辺のZAPな人々(2013年3月/H.K.氏提供)

 ZAPとはすなわち日本で言えば「災害ゼロ運動」、つまり「安全第一」を目指す運動の事であろう。災害ゼロに向かってがんばろう!とこの二人(男女のペアであろう)が現場で働く方々に呼びかけているわけである。二人の視線がさりげなくもしっかりと緑十字に向けられているのが、なかなか良い。腕をしっかり組んでいるというのも微笑ましい。

 

 次の人々は、上のシンガポールや下のミャンマーで活躍している人々と同類で、ほぼ確実に、日本のあのベテランオジギビト(この記事の一番下で紹介)の直系ではないかと思われる。

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フィリピン・マニラ市 ニノイ・アキノ国際空港の人々(2018年5月/H.K.氏提供)

 隣り合っている2つの看板上で全く同じ直立不動姿勢を取っている二人だが、右側の人(二組目の写真の人)は瞳をこちらに向けているようである。この瞳、現場の人々のイタズラなのか、あるいは最初からこうなのか、ちょっと判別が難しい。案外、現場の人ではなく看板業者の遊び心かもしれない。

シンガポールの直立衆

 2007年4月にNHK-BSの番組「熱中時間」を観られた方から、シンガポールの工事現場に立っている直立人の写真提供があったそうで、番組のディレクターの方が送って下さった写真である。日本国内ではまず発生しそうもない西洋マンガ的風貌である。

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シンガポール市の帽振り人(2007年5月/K.Y.氏提供)

 日本国内ではまず発生しそうもない西洋マンガ的風貌である。しかし伝えているメッセージは「ご迷惑をおかけしております」であり、殆ど謝らない西洋の現場とは一線を画したアジア的なものである。手書きで内輪的標語が加えられているのも嬉しい。
 彼の腹の出っ張りとかはともかく、工具を持つ手の小指(?)が立っているのが、無意味に目を引く。

 

 次の人は、今現在の日本では決して見られないであろう、いい味出しまくりの顔である。ぜひ日本の現場でも、この方に立っていただきたいものである。

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シンガポール市の直立不動人(2010年4月/四国支部長報告)

 顔はともかく体形だけ見ると、フィリピンの人々と同じ人がモデルだろうということは、だいたい見て取れる。これも本記事の一番下を見ていただきたい。

 

タイの直立人

 この人は、先のシンガポールの場合と同じく、「熱中時間」の視聴者の方から番組宛てに届いた写真とのことである。

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タイ王国の直立人(2007年7月/K.T.氏提供)

 立ち方などは驚くほど日本国内のオジギビト衆に似ているが、顔は日本にもいそうで意外といないような、独特の雰囲気である。「ちびまる子ちゃん」に出てきてもそれほど違和感がない顔立ちだが、顔の左右の構造は、耳たぶや髪の毛のタイ式表現なのだろうか? 非常に目を引く特徴である。

 

 次の写真の人は、この直立人のすぐ後ろにいたのだが、彼は打って変わって非常に「西洋的」と言わざるを得ない。しかしそれが却って、左の人と好対照を成していると言えよう。

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タイ王国の西洋風の人(2007年7月/K.T.氏提供)

ミャンマーの直立人

 ミャンマーにも、やはり日本のあの人をモデルとしたとおぼしき直立人がいた。

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ミャンマー・マグウェの料金所の人(2017年3月/N.K.氏提供)

 この人は工事現場ではなく、道路の料金所に立っていたとのことである。しかし、現場でもすぐに通用しそうである。

 モデルとなった人はやはり、日本のあの人だろうと思われる。ネクタイなど省かれたり、ボタンが増えたり変化している部分もある一方、特徴的な胸ポケットは、元々の形状を比較的よく残している。

モデルとなったと思われる日本のオジギビト

 そしてこの人が、フィリピン、シンガポール、そしてミャンマーの直立衆のモデルとなっとと思われる、日本の直立不動オジギビトである。タイの人も、もしかするとこの人がモデルなのかもしれない。

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モデルとなったと思われる人(東京都新宿区/1998年5月)

 直立不動の立ち方だけならば、他にもこういう感じの人は数多くいるだろう。しかし胸ポケットの表現などからすると、やはりこの人が参考にされたのだろうな……と思わせる。

 東南アジアでは、この人を始祖として、独自発展を続けているのかもしれない。今は見に行くのはなかなか不可能な情勢だが、いずれ機会があればお会いしたいものである。