今回は、直立不動オジギビトの中から、とり・みき氏の「街角のオジギビト」1-06(20ページ)で紹介されているオジギビトを紹介したい。とり氏は「子供」としているが、時間が経つにつれて、だんだん「成長」らしき変化をしている彼(あるいはそっくりさん?)も見られるようになってきた。
ちなみにこの人の重要な(?)特徴の、「眼の下の三本線」について、とり氏は「媚びているようでいやらしい」との感想を述べておられた。残念な事(?)だが、この三本線を生やしているオジギビトは、他にも幾らかいる。
集会所本部長が初めて彼に出会ったのは、つくば市内の現場の前であった。確かにぱっと見子供だなぁ……と、改めて見るとやはりそう思ってしまう。
彼と出会うことはその後しばらく無かったのだが、10年ほど経ったある日、京都市内の金山工務店の現場で、AED設置を示している彼に出会うことができた。
この場合の彼のオジギの理由は、「緊急の際は声をかけてください」であって、オジギビトの基本業務である通行人への陳謝ではない。
上の例との間には十年の時間的隔たりがある。しかし彼は相変わらず子供のまま。オジギビト界も、(一部の)漫画界と同様の時間システムを持っている事を、数値で実感させられる例である。
別の現場で出会った子供の彼は、目鼻口、そして目の下の三本線が少々太くなっていた。
線が少々太いだけとはいえ、だんだん別人の顔へ変化しているかのような錯覚を受ける。
次の例は、さらなる変化をした彼である。但し、上の二例よりも、多少時間を遡っている。
見ての通り、ちょっと頬がふっくらした彼である。彼は02年の3月頃に北大で出会ったので、別にこの変化が上の3例からの単純な「加齢」というわけではない。既に、同時並行的にちょっとふっくらバージョンの彼も存在していたことになる。オジギビト界の時間変化(加齢による外見変化)は、単一かつ一直線の時間軸上で行われるわけではない、ということを示しているのかもしれない。
名古屋芸大で確認された彼は、全体の感じからは明らかに「子供」なのだが、顔はもはや別人と言っても良いだろう。いや、実際に別人なのかもしれない。同一人物だとすると、目の下の三本線が無かったり鼻が高く(?)なっているのは、これもまた加齢の証拠なのだろうか。
これまでの三例で分かる通り、どうやら彼は東海興業株式会社に籍を置いているようである。
長谷工リフォームの現場で、服装を変えて活動していた彼である。目の下の三本線など、基本的な要素は紛れもなく彼なのだが、顔の輪郭や口のカーブ、耳たぶの形状など、幾つかの部分で微妙な差異が生じている。やはり、それなりに年月を経た事に起因しているのであろうか。
この「子供」の人、今後どのような変化(加齢?)をしていくのか、気長に注目したいものである。
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