オジギビト集会所本部長室R

路上観察サイト「オジギビト集会所」本部長のブログ

【現場外オジギビト】ホテルの人々

 前回に続き、今回も現場外オジギビトを幾つか紹介したい。

 今回は、ホテルや旅館の人々である。下の写真は、鳥取県倉吉市の「倉吉シティホテル」で活動していた人々である。

鳥取県倉吉市山根・倉吉シティホテルのオジギビト(男性)(2006年7月)

鳥取県倉吉市山根・倉吉シティホテルのオジギビト(女性)(2007年3月)

 男性、女性ともに、同線の感じからすると、深々とオジギした後に顔を上げた直後の状態に見えなくもない。女性オジギビトは、睫毛が非常に長いのが見て取れる。しかしあまりに長いせいか、上方にくるりとカールしている。

 今回写真を見直してみて、この人々を撮影して既に15、6年も経過している事にちょっと驚いてしまった。今は既に、この人々も代替わりしているかもしれない。あるいはまだまだ現役で活躍しているだろうか。オジギビトは工事現場、現場外ともに、同じ人がかなり長く活躍している場合が多いので、その希望は持っているが……。

 次の例は、広島県で行われた、ある集会の会場となった温泉宿の、トイレで活動中だった人々である。

広島県竹原市西野町の衛生オジギビト(男性)(2013年12月)

広島県竹原市西野町の衛生オジギビト(女性)(2013年12月/N.M.氏の協力による)

 男女共に非常に礼儀正しくオジギしているのは大変良いのだが、それよりも何よりも目を惹くのは、やはりこの人々の肩幅の広さ頭身の高さであろう。こういう体格、体型の人々は、工事現場よりも現場外で出現率が高そうである。

 次は、大阪市のカプセルホテルで、特定条件の人々に対してオジギしている人である。

大阪府大阪市中央区心斎橋の制限オジギビト(2007年8月/M.W.氏提供)

 利潤追求の一環で活動する現場外オジギビト衆の中でも、特に丁寧なオジギ姿であると言えよう。イレズミの人および泥酔者に対しても、極めて丁寧に利用を控えるようお願いしている。

 ところで「イレズミの人お断り」関係の掲示は、日本全国の様々なホテルや温泉などにあると思われる。文字だけでメッセージを伝える場合も多いと思うが、絵入りのものもかなりあるのではと思う。下の写真は、滋賀県高島市の「グリーンパーク想い出の森」にあった、イレズミの人へのお願い掲示である。

滋賀県高島市朽木・グリーンパークの入墨人(2011年4月)

 モノトーンながら、イレズミがかなり緻密で素晴らしい。一方の男性はどことなく西洋人っぽいのだが、やはり別々の素材を合体させたのだろうか。文字のフォントもなかなか面白い。特にひらがなは独特の柔らかさというか、フニャフニャ感がある。入墨人へのお願いのニュアンスを、少しでも和らげるための策なのかもしれない。