オジギビト集会所本部長室R

路上観察サイト「オジギビト集会所」本部長のブログ

【オジギビト】テレビ番組で声が付けられた人

 先のオジギビトに関する記事「耳が取っ手の人」で、一言「偽者」について触れた。つまり、既にあるオジギビトを真似て生み出されたと思われる人々も、やはり存在する。

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 その偽者たちについて紹介する前に、テレビ番組で声が付けられたオジギビトについて、紹介しておきたい。

 この人は、既に20年以上に渡り、全国の様々な現場で活躍している人である(正確なデビュー時期は不明)。もちろん今現在も、現役のはずである。

鳥取県倉吉市円谷町の有名オジギビト(2001年3月)

 2006年5月31日に放送されたトリビアの泉」(フジテレビ)の中のコーナー「トリビアの種」は、このオジギビトに最も相応しい声を、アニメの音響監督が選ぶというものであった。声を考えるうえで重要な資料となる人物設定(メーカーではなく番組独自のもの?)は、
名前:「安全 守(あんぜん まもる)」
年齢:32歳(1973年7月1日生)
肩書き:現場代理人
性格:温厚
趣味:ゴルフ
という事であった。

 声優オーディションは、事前に選考された声優の方々が、それぞれの代表的キャラクターの演技で「お願い 御迷惑をお掛けして居ります 工事中御協力をお願いいたします」(上の写真参照)というセリフを言う形式であった。

 番組内では13人のオーディションの様子が放送されたが、その結果最適とされたのは、ブラッド・ピットチャーリー・シーン等の日本語吹替をされている堀内賢雄の声だった。その理由は、「騒音に紛れない存在感がありながら、繰り返し聞いても疲れず、逆に守られているような安心感がある」というものだった。大いに同意できるが、堀内氏と共に「宇宙船レッド・ドワーフ」で主要人物の声を吹替えておられた、山寺宏一江原正士の声もアリかもしれない……と個人的には思ったものである。
 声優オーディションで最も大笑いしたのは、ちびまる子ちゃん」の永沢君の声を担当されている茶風林のもの。永沢君の感じで声を当てておられたのだが、確かに永沢君では逆に工事現場の方が危ない。同じく「まる子」の登場人物で、茶風林氏が兼任しておられるヒデじいの感じならば、安心感は絶大だろう。しかし安全守氏の設定より歳が行きすぎた感じになるし、ヒデじいのような模範的紳士の感じは、さすがにちょっと合わない。スタートレックエンタープライズ」のドクター・フロックス風だったら温和な好人物なのだが……とも思ったが、それではあまりにもまとも過ぎるかもしれない。フジテレビ系列のアニメで、なおかつ「ウケが狙える」キャラということで、永沢君が選ばれたのだろう。

京都府八幡市の安全守氏(2007年11月/かぶ氏提供)

 ちなみにこの番組の放映直後、この番組を見たある人(多分若い女性)が、顔出しで出演されていた茶風林氏について「永沢みたいで嫌な感じだ。陰湿そうな顔つきだ」と、非常に失礼千万な事をネット上で吐いていたのを見掛けた(本当)。完全に、「永沢君というキャラを演じる人」というイメージだけからの、脊髄反射的な放言である。この人、同じアニメ内の、あの温厚な紳士の声を誰が担当しているのか、全く気付いていないのだなぁ……と思ったものである。あれから16年以上経つわけだが、この人はその事実に気付いただろうか。それとも、今でもSNSなどで、この種の放言をばらまき続けているのだろうか。

 この番組では、この有名オジギビトの声について選考が行なわれたわけだが、例えば先の「耳たぶが取っ手の人」の場合は、また違った方の声が、より似合っているのではと思う。街で見掛けたオジギビトの姿形に合いそうな声を、ちょっと考えてみるのも一興かもしれない。

(なお本番組の動画は、動画投稿サイトを探せば見つかる可能性はある)

 そして最初に戻るが、安全守氏の偽者と思われる人には、一度だけ出くわしたことがある。他の偽者衆と併せて、後日紹介することにしたい(忘れるかもしれないが)

 

 ところで先の「耳たぶが取っ手の人」についてオマケ的に一つ。かぶ氏から提供された写真の彼(取っ手状耳たぶではないバージョンの方)は、目にちょっと違和感がある人だった。

京都市中京区の目の辺りに違和感がある彼(2007年10月/かぶ氏提供)

 どうやら、以前紹介した「透ける瞼」の彼のように、瞼の上に瞳を描き加えられたようである。まあ、こういう感じの目なので、瞳を描き加えたくなる気持ちも分からないではない。

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