オジギビト集会所本部長室R

路上観察サイト「オジギビト集会所」本部長のブログ

【オジギビト】クローン疑惑の人々(2)

 先の記事では、クローンの可能性がある人々について、幾つかの例を紹介した。

ojigibito.hatenablog.com

 今回は、日本国内に住む誰もが一度は出会ったことがあると思われる、あの「縦長瞳の男」のクローン疑惑がある人々について紹介したい。

 この人が、オジギビト界では超有名人の一人、「縦長瞳の男」である。この顔を見て、「ああ、知ってる」と思った方も多いのではなかろうか。

茨城県つくば市天久保で活動する縦長瞳の男(1998年2月)

 このポーズは変形見得切り型とでも言うべきだろうか。この人は基本的に、このようなちょっと厳しめの表情で、現場での警告業務に当たっている。縦長瞳が保護帽の上に被さっているのは、彼の特徴の一つである。
 この見得切り姿勢の彼のクローンと思われる人の例が、東海支部長によってもたらされていた。

静岡県静岡市駿河区の変形見得切り人(2007年6月/東海支部長報告)

 ポーズ自体は同じだが、縦長瞳の男に比べるとちょっと頼りない感じというか、やや締まりのなさを感じてしまう。何だか、全体的に「角が取れた」という印象であるが、それはクローン化でディテールが幾分殺がれたせいかもしれない。逆に、可愛さは増しているようである。
 こうして改めて見ると、上着の内側(首回り)がよく分からない構造になっていることに気付く。これはクローン化の際に、保護帽の顎ひもが顎ひもとして認識されず、「首の下に何か帯状のものがある」的な感じで写し取られた結果かもしれない(顎の直下の三角が、もしかすると顎ひも?)。上着の左襟が無いのは、単なるうっかりミスだろうか。
 最も目を惹くのは、瞳が丸くなったことである。保護帽の上まで掛かるほどの縦長感はぐっと弱まり、眉間のシワ的なものも無くなっている。しかも瞳に二つずつ、ハイライトまで入っている。鼻が三角形になったのは、クローン化の際に付加されたオリジナリティであろう。

 この変形見得切りスタイルでは、さらにもう一つ、クローンの例がある。

京都府京都市左京区上高野の変形見得切り人(2010年1月)

 首回りの構造と上着の左襟欠損、三角形の鼻、カールした左耳たぶなどからして、これは縦長瞳の男からの直接的なクローンではなく、先に紹介したつぶらな瞳の彼と深い関係があると思われる。唯一の相違点は、目である。
 可能性として最も高いのは、縦長瞳の男から一方がクローンで生まれた後、それを元にしてさらにクローンが……ということだと思われる。どちらが先に生まれたのであろうか。
 ただその場合、左襟の欠損は明らかなミスとして、後に発生した方でちゃんと修正される可能性も少なくない。そうすると、「目だけが違う変種」が同時に発生した可能性も捨てきれないわけである。真相はどちらが近いのか、興味は尽きない。

 彼に関してはもう一つ、果たしてクローンなのか?と思ってしまう例がある。これは、既にお馴染みのベンケイスタイルの彼である。

茨城県つくば市天久保のベンケイ型縦長瞳の男(1997年12月)

 両腕がどんな感じで出ているのか、ちょっと分からない感じの彼は、多くの人々が見たことがあるのではなかろうか。
 その彼にそっくりの人が、滋賀県の田園地帯の真っ只中で、ベンケイスタイルを取っていた。

滋賀県近江八幡市上田のベンケイ型の彼に似た人(2012年5月)

 保護帽の上に被さるような縦長瞳、団子っ鼻、口の感じなどは明らかに、見慣れた彼のものである。しかし顔の輪郭が不明瞭というか、ちゃんと固まった輪郭が無いように見えてしまう。しかも首から下は、これまで慣れ親しんだ彼のものとは異なる、別の人の身体のような印象である。顔が「真っ白」ということにも一見して違和感を覚えたが、やはり身体の感じと手の出し方が、「いつもの彼じゃない」感濃厚であった。彼はクローンというよりも、キメラというべきなのかもしれない。
 もしかすると、長年活躍してきた「縦長瞳の男」の後を継ぐために、「正規ルート」で生まれてきた可能性もある。しかしその真逆で、非常にローカルなものかもしれない(その後どこに行ってもこの人には出会っていないし……)。現状ではどうも後者の可能性が否定できないが、油断せずにこの縦長瞳の男モドキの活動……というか出現を、見逃さないようにしたいところである。

 旧集会所では、この「縦長瞳の男」について特別室を設置し、現場における彼の活躍ぶりを特集していた。いずれこの本部長室Rでも、同じように彼の多種多様な活躍の様子を紹介してみたい。