オジギビト集会所本部長室R

路上観察サイト「オジギビト集会所」本部長のブログ

【路上観察】氷雪注意喚起の人々

 先日の20日大寒とのことで、この前後が1年で最も寒い時期ということになる。天気予報では、20日あたりから一週間ほどの間が、全国的に記録的な寒さになる可能性ありとのことだった。
 それに因むわけではないが、屋根からの落雪などについて注意を呼びかける看板について、少々紹介してみたい。

 これらは1999年の冬に、札幌市内で出会った看板である。

北海道札幌市の氷雪犠牲児童(1999年1月)

 どちらも大泣きしており、「怖い目に遭った」という意味では、「犠牲者型」と言って良いだろう。上の写真では、この児童は、屋根からの落雪を危ないところで回避したようである。一方、下の写真では、落雪の直撃などはほぼ回避できたのかもしれないが、長靴の片方が脱げるほど慌てて逃げていたようである。履いていたスキー(恐らく児童用のプラ製玩具、「ミニスキー」的なものか)も、二つとも脱げている。

 次の例は、現場オジギビト看板と似た構成で、注意を呼びかけるものである。

北海道札幌市の落雪注意喚起女性(1999年1月)

 この女性、ちょっと崩した姿勢ではあるが、一応オジギして注意喚起しているということになるだろうか。

 これらの看板は、ご覧の通り冬期の間、つまり必要な期間だけ路上に設置されるものである。次のものは、あるドラッグストアの外壁に貼られていた、「常勤タイプ」の人である。

北海道釧路市武佐のツララ警告オジギビト(2020年6月)

 恐らくこの掲示は、ドラッグストアの従業員が、素材集から作ったものと思われる。スーツを着た、普通のビジネスマン的な人である。この種の注意喚起にもっと適していそうな人は、その素材集にはなかったのだろう。傍らにある四角いものは、彼を描いた人のサイン的なものだろうか。

 これらの注意喚起の人々とはまた別に、冬期の道路凍結に対応すべく活躍している人もいる。次の例は、道路凍結時のスリップを防ぐ、滑り止め材の箱である。

札幌市北区新琴似駅付近の滑り止め材の箱(2021年3月/北海道支部長報告)

 ご覧の通り、箱の横で女の子が「道路がすべる時にご自由にお使いください。」というメッセージを示している。

○ちゃん(残念ながら読み取れず)

 彼女の横には、「○ちゃん」と名前が記されている。しかし、残念ながらこの写真からは、正確に読み取ることはできなかった。何となく「藍」とかその種の漢字であることは推定できるが……。まあ、いずれそのうち、じかにお会いすることもあるだろう。

 

【本】「研究者に向かない人々」リリース

 2023年1月13日、ミニ本「研究者に向かない人々」がリリースされたので、こちらでお知らせを。著者名は「Bowing Man」である。
 サブタイトルは「自分の性格が研究者に向いているのか不安な学生の皆さんへ」となっているが、もちろん学生でない方々にも読んでいただける内容である(はず)。
 amazon楽天など複数の電子書籍販売サイトで発売中である。

 これまでの研究者・学生向け本も、何とぞよろしくお願い致します。

【オジギビト】保護帽暗色線の怪

 先の記事で、完全に三色(赤白青)で構成されているオジギ看板はあるか?とふと思ったので、少々見直してみることにした。

ojigibito.hatenablog.com

 まああれこれと見直すまでもなく、すぐに思い出したのが彼の看板である。

東京都大田区の直立不動型オジギビト(2013年9月)

 極めてスタンダードな、直立不動型オジギビトである。彼の活動する姿を初めて写真に収めたのは、1998年のことであった。当時の印象は、「直立不動型の人々の中では、まだ若手っぽい顔」であった。

茨城県つくば市柴崎で出会った時の彼(1998年4月)

 保護帽のみ黄色になっているが、その他の部分は青で統一されている。衣服などのディテールは、2010年代に入っても全く変わっていないようである。

 しかしこれらの写真を見て気付いたのだが、彼は青一色の線で構成されてはいなかった。もう一度、2013年の彼の、頭のクローズアップを見てみよう。

保護帽に暗色の線

 保護帽の縁近くの、カーブの角度が変わっている所に、左右に二本ずつ線が入っている。これらの線は青ではなく、より黒っぽく見える。1998年の彼の場合はちょっとはっきりしないが、濃紺あるいは黒く見える線が、全く同じように入っている。ここだけ敢えて色を変える理由は何か?という疑問もあり、また見方によっては青から濃紺〜黒のグラデーションとなっているように見えなくもない。しかし、保護帽のこれらの部分だけが、青一色の彼から明らかに浮いているのは確かである。
 というわけで、惜しいことにどうやら彼の看板は「完全トリコロール」ではなかったようである。

 ついでと言っては何だが、山形市内で出会った、相当ベテランになった彼の姿を。

山形県山形市の彼(2018年9月)

 長年に渡り、様々な現場に立ち続けたことを物語る、塗装のはげっぷりである。彼の現場デビューはいつ頃かははっきりしないが、もしかするとこの工務店では、90年代後半辺りからずっと同じ看板を使用しているのかもしれない。
 保護帽の黄色が1998年の彼よりも薄いので、例の線が青よりは黒に近いらしいことが見て取れる。彼は2020年代に入ってもまだまだ現役で活躍中のはずなので、出会ったらなるべくそばに寄って、保護帽の所を念入りに確認したいものである。

 ちなみにこの現場のすぐ近所の電機店に、なかなか年季の入った看板があったので、それもついでに。

「シャープ ロングランカラー」(2018年9月)

「シャープ ロングランカラー」と読める。ブラウン管テレビのブランド名的なもののようである。ネット上の情報では、「ロングランカラー」という言葉は、昭和40年(1965年)辺りから昭和60年(1985年)辺りまで使われていた模様。20年のスパンは結構長い感がある。
 薄型液晶テレビ全盛の時代になって久しいが、ブラウン管時代の名残をこうした形で発見できるというのは、何というか感慨深いものがある。

 

【雑記】令和も既に5年

 気が付けば、令和も既に5年である。
 令和元年は2019年5月1日から始まったのだが、そのまさに第1日目に買ったパンの写真が(たまたま)出てきた。せっかくなので(?)、令和初日の記録として、ここで出しておきたい。別に深い意味はないのだが、偶然出てきたので。

令和の第1日目に買った神戸屋のパン(2019年5月1日)

 Since 1918年ということは、2019年の時点で既に100年以上もの歴史を持つということか、と。そういえば袋にも、「おかげさまで100th ンパ戸神」の記載がある。

 トリコロールで連想したのが、この看板。西日本ではメジャーな彼である。

滋賀県大津市のベンケイ型の人(2018年10月)

 肌の色以外は、青と赤、そしてベースの白で纏められている。極めてシンプルだが、全く不足はない、色遣いとデザインである。

 トリコロールと言えば、以前の記事ではこういうのもあった。コアラ顔の彼である。

ojigibito.hatenablog.com

 彼の場合は肌の色も真っ白で、トリコロールを徹底している……と思ったら、輪郭線と靴は黒だった。完全トリコロール(単色ではなく)の人はいただろうか?と、ちょっと記憶を探り始めている。

 とりとめの無い話で恐縮だが、今回はここまでとしたい。

 

 

【オジギビト】代替わり?

 今回が、2023年最初の記事である。1月3日の道東地方太平洋側は、今季一番の冷え込みとなったようである。朝、窓に発生していた木の枝上の氷が、冷え込みの厳しさを物語っている。

窓に発生した樹状氷結(2023年1月3日の朝)

 最低気温は氷点下15度だった模様である。1月下旬にはもっと下がりそうな気もするので、水道凍結など気を付けたいところである(追記:翌1月4日の朝は、さらに気温が下がった模様)

 さて本題のオジギビトであるが、以前「加齢?」というタイトルで一人紹介した。

ojigibito.hatenablog.com

 今回は、この「加齢」に似ているが、どちらかというと「代替わりか?」と思わせる例を、一人紹介したい。

 戸田建設の専属直立不動型オジギビトに出会ったのは、1999年の東京、上野であった。

東京都台東区上野の戸田建設専属オジギビト(1999年10月)

「ちょっと昭和風のいい男」といった風情のオジギビトである。

 その後、16年以上経って都内で出会った彼は、多少「すっきり」した感じになっていた。

東京都大田区南蒲田戸田建設専属オジギビト(2015年12月)

 全体の様子は全く変わらないものの、一見して何か記憶と違う感じがあった。各部の特徴は、紛れもなく99年に出会った彼なのに……。同じ人の「加齢」あるいは「イメチェン」なのか、あるいはよく似た人に「代替わり」したのか、一瞬ではあるが少々迷ってしまった。戸田建設としては、全く同じオジギビトを、引き続き採用しているつもりなのだろうとは思うが……。ちなみに保護帽は、新しいタイプに更新されている。
「すっきり」というのが適切な表現かどうかはわからないが、輪郭線が非常に細くなったのが一目で分かる。文字通り、「線が細くなった」とでも言うべきだろうか。そのせいで、同じ人のはずなのに、結構印象が違って見えたのだろうか。瞳のハイライトのありなしも、印象を多少変化させている原因かもしれない。

 そしてさらに2年後、今度は工事現場を囲む壁に設置された、大型モニタ上で活動する彼に出会った。

東京都中央区日本橋戸田建設専属オジギビト(2017年12月)

 画面中に現れた彼は、何というか、99年と15年の間を取ったかのような印象である。輪郭線の強弱や保護帽の形からすると、多少99年寄りであろうか。しかし目の感じは、15年の彼の特徴を継承している。
 結論としては、別に代替わりしたわけではなく、同じ彼戸田建設専属オジギビトとして活躍しているということになるだろう。彼には末永く現場で活躍していただきたいものである。

 それでは、2023年もオジギビト集会所と、この本部長室Rを何卒よろしくお願い致します。

 

【オジギビト】縦長瞳の男大行進(3)

 これまで2回にわたり、「縦長瞳の男」の活躍ぶりを紹介してきた。今回が(一応の)完結編である。今回は、直立不動型、ベンケイ型、そして見得切り型の彼の姿を見ていきたい。

直立不動型

 まず最初は、オジギビトとして最も基本的な直立不動型の彼である。しかし彼の場合、通行人に対してあまりへりくだるような態度は示さない。むしろ高圧的ですらある。

茨城県つくば市桜の直立不動型縦長瞳の男(1998年7月)

 ご覧の通り、オジギはしていない。厳しい顔で腕を組み、こちらを見据えている。伝えるべきメッセージが「立入禁止」であるため、こういう感じになったものと思われる。

 次の例は、一応頭を下げている彼である。

鳥取県東伯郡北栄町由良の直立不動型縦長瞳の男(2007年4月)

 目を閉じて軽く下を向き、黙祷するかのような彼である。しかし、通行人に対してはあまり「ご迷惑をお掛けしてすみません」的には思っていないかもしれない。メッセージの「作業しておりますから」の「から」の部分に、「仕方なく頭を下げている」的な感情が見え隠れしているように感じる。

ベンケイ型

 ベンケイ型の姿勢を取る彼も、やはり存在する。既に「クローン疑惑の人々」の記事でも紹介したが、今一度ここで紹介しておきたい。

茨城県つくば市天久保のベンケイ型縦長瞳の男(1997年12月)

 やはり、腕の出し方に、多少の違和感を感じずにはいられない。
 もう少し新しめと思われる彼の姿もある。

京都府京都市左京区岩倉のベンケイ型縦長瞳の男(2012年12月)

 この場合も、腕にやはり違和感を感じる(腹から腕が伸びているような……)。ちなみに彼の縦長瞳が、保護帽の上に被さっていないところも、逆に違和感を覚える部分である。背中に背負うオレンジのギザギザが、現場の危険性を訴える彼をサポートしている。

見得切り型

 見得切り的ポーズを取る彼は、細かい違いを含めるとこれまでに四例見つかっている。下の写真は、典型的な見得切りポーズを取る彼である。

北海道釧路市鶴ヶ岱の見得切り縦長瞳の男(1998年3月)

 以前「アニメの中のオジギビト」でも紹介した通り、これと同じ看板が「映画クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」(1999年)に登場する。秩父の地下基地から、悪の組織"YUZAME"の巨大ロボットが地上に姿を現すシーンで、彼の見得切り姿を見る事ができる。

ojigibito.hatenablog.com

 典型的見得切りポーズではない彼も見つかっている。一方の手をこちらに向け、もう一方の手でメッセージを指さしているため、見得切りと言うには幾らか違和感もある。かといってベンケイ的スタイルでもないので、こちらのカテゴリーに含めている。

鳥取県倉吉市下田中の変形見得切り縦長瞳の男(2004年12月)

 ベンケイ型の場合と異なり、この姿勢の彼は、ちゃんと肩から腕が伸びているように見える。

茨城県土浦市中央の変形見得切り縦長瞳の男(1998年3月)

 土浦市で見掛けた彼は、背中に赤いギザギザを背負っており、一生懸命に危険を知らせていることが一目で見て取れる。口の感じも、必死さが現れている。

島根県大田市の変形見得切り縦長瞳の男(2000年6月/関東支部長報告)

 元画像の解像度の都合上、ややジャギーが目立つが、表情がちょっと違うのが分かる(瞳が正面を向き、口が閉じている)。残念ながらこの表情の彼には、未だ直接お目にかかったことはないのだが、いずれ出会うこともあるだろうと希望を持っている。

 三回に渡り、縦長瞳の男について紹介してきたが、まだまだ全ての彼の活動を目撃できているとは言えないかもしれない。お馴染みの顔ではあるが、油断は禁物である。今後も彼をしつこく追い続けていかねば……と思っている。彼の完全引退は、まだまだ先に違いない。

 2022年は、今回が最後の記事ということにしたい。集会所本体は、設置以来新しい写真や記事は増えていないが、「オジギ写真イッキ見」的な役割をしてくれていると思うので、お暇がある方は、たまにでもご覧になっていただけると幸いである。

 

 それでは今年最後の締めくくりとして、寒い窓際でも生き延びているサボテンと、回収されたアサガオの種3つの写真を。
 2023年も集会所と本部長室Rを、何卒よろしくお願い致します。

さらに少し肥えているサボテン

 

 

 

【オジギビト】縦長瞳の男大行進(2)

 前回に引き続き、「縦長瞳の男」特集(?)である。前回は、内輪型における彼の活躍について紹介した。

ojigibito.hatenablog.com

 今回はその続きで、クレーン作業などの合図法を示す彼を紹介したい。

クレーンなどの合図で活躍する縦長瞳の男(2001年3月)

拡大写真

 撮影地は鳥取県倉吉市である。ややボケ気味なのは、写真プリントのスキャン画像のためである。こういう合図法の説明は、あの"TEZUKA PRODUCTION"の有名な彼など、メジャーどころのオジギビトもやっている模様である。

 次は、特に何かの警告や注意喚起、陳謝などしているわけではない、彼の姿である。

鳥取県倉吉市の大きめな縦長瞳の男(2009年4月)

 普段あまり笑っている印象のない彼だが、これに関しては満面の笑みである。
 ところで重大な事実というか、驚くべき変化がこの現場の彼に起こっていた。鼻の形が違うのである。丸い団子っ鼻から、「への字」の形になっている。どういう理由で、彼はあの団子っ鼻を捨てることになったのだろうか。あるいは別人か??

 今回は内輪型の中でもやや特別な部類に入るであろう、クレーン等の合図法を解説する彼の姿と、違った鼻で満面の笑顔の彼について紹介した。次回は、直立不動型などの彼について紹介したい。