オジギビト集会所本部長室R

路上観察サイト「オジギビト集会所」本部長のブログ。本ブログではアフィリエイト広告が掲載されています。

【雑記】草食の群れin蝦夷地(再)

 8月くらいから、釧路市内で野犬が鹿を襲っているらしいという話を、ちらほら聞くようになってきた。これは全国的にも報道されている様子なので、テレビあるいはネットのニュースで見掛けた方もおられるのではと思う。

 先週金曜(9月16日)だったか、午後のワイドショー「ゴゴスマ」でもこのことが取り上げられたとのことである。釧路市の大規模運動公園で野犬出没&エゾシカ襲撃発生ということで、MCの石井さんが「そうするとその辺りは鹿と出会えるスポットとして市民に有名なのですか?」という質問を現地人(保健所とかの人?)に質問し、それに対して現地人は「いや、鹿はそこら中に出ます」と返していたということであった。確かに、ここらでは別にエゾシカは珍しくもないし、出たらわざわざ見に行くものでもない。まあ、その辺の認識のずれは仕方ないことである。ただ、鹿は「カワイイもの」として大いに愛でるべき動物、という意識も微かに見えるのが、「石井さんちょっと残念だねぇ」という感じである(正確な発言は知らないので、大いに失礼な印象かもしれないが)。しかしこの種の野生動物は、例外なく人間にとっては「怖いモノ」であると思った方が賢明かと……。別にヒグマだけが、北海道では要注意な野生動物というわけではない。

 しかしやはり、世の中の意識としては、エゾシカ>野犬という感じなのだろうか。やはり「カワイイ」vs「凶暴」という構図? 個人的には、シンプルに「どちらも怖い」のだが……。野犬は恐らくその辺の飼い犬だったのだろうから、生け捕りにして「状況改善」を施す余地は、幾らかあるのかもしれない。いずれにせよ、人が襲われる前に速やかな捕獲が望まれる(うちの近所にも出るかもしれないし……鹿はこの辺りにも確実に出没するので)。

 そして上記のワイドショーでの質問に対する現地からの答え「そこら中に出る」というのも、市役所のサイトを見ると、確かにその通りということが一目で分かる。

市街地でのエゾシカ出没について|北海道釧路市ホームページ

 このページの「エゾシカ出没通報マップ」にある「通報多発地帯」の二番目の方(北の方)が、今回問題になっている地域に近い方である。南側の方(一番目の方)の通報多発地帯は、「春採湖」を中心とする地域である。この辺りは春採湖を中心に、木々が生い茂った公園となっているので、鹿も好んでやって来るものと思われる。

 しかし今年は、鹿の姿を収めた写真を一枚も撮れていない。いないわけではないのだが、撮るタイミングを逃すか、場所が悪すぎるかで、今のところ今年の鹿の写真はゼロ枚に留まっている。その代わりと言っては何だが、旧集会所本部長室で2021年6月1日に出した記事を、良い機会(?)なので再紹介したい。撮影日は2021年5月12日である。

春採公園に出現したエゾシカ(2021年5月12日撮影)

 この鹿は単独行動の様子だったが、さらに少し行った所にある「春採アイスアリーナ」の駐車場では、五頭が草を食んでいた。ここまで皆で来たが、いつの間にか一頭だけ単独行動になったのか、あるいは全然別のグループだったのか。

釧路市春採アイスアリーナで集会中のエゾシカたち(2021年5月12日撮影)

 春採公園と春採アイスアリーナは住宅地に囲まれた所にあるのだが、人間が絶対手出ししないのが分かっているのか、鹿は普通にやってきて好き勝手にうろつき、そして普通に帰って行くようである。

 キタキツネも同様で、これら野生動物が住宅地にちょっと顔を出した程度で翌朝学校で噂になっていた、20世紀末の状況とはかなり違う状況になっている模様である。これも1年ほど前の話だが、阿寒の山々の写真を撮っていた時、ふと気が付いたら2メートルほど離れた所にキタキツネが小走りでやってきて、一瞬止まってこちらを一瞥した後、さっと立ち去っていったということもある。この時はちょっとびっくりしたが、「本当に、昔よりも野生動物が平気でその辺を歩き回るようになったなぁ……」と、改めて実感した瞬間であった。

 キタキツネはエキノコックスを媒介するので、その意味でも要注意の野生動物である。無邪気に「ルールルルル」とか言って呼び寄せている場合ではない。