オジギビト集会所本部長室R

路上観察サイト「オジギビト集会所」本部長のブログ。本ブログではアフィリエイト広告が掲載されています。

【オジギビト】メンテナンスの人々

 7月2日に発生したKDDIの通信障害は、思った以上に長引いているようである。どのように地域差が出ているのかは分からないが、2日から3日の釧路市および釧路町では、データ通信はほぼ問題ない一方、音声通話が全くダメという様子であった。

 ジタバタしても仕方ない、というのは分かっているつもりでも、やはり普段使えるものが突然ダメになるというのは、いざそれが現実となると、予測していた以上に不便なものである。ようやくこの障害も解消に向かっているようだが、すぐにまた、全く同じことを繰り返しそうな予感も少々(某銀行がしばしばやらかすATM障害みたいに)。予感が完全に外れることを祈りたい。

 

 さて今回は、オジギビト衆の中から、ごく短時間現れてさっと立ち去る、エレベーターやエスカレーターメンテ系の人々を紹介したい。

東芝エレベータの人

 最初に紹介するのは、東芝エレベータの人である。この人は、かなり広く知られた人ではないだろうか。

京都府京都市・JR京都駅の東芝エレベータオジギビト(2010年3月)

 旧集会所では、「豊富な毛量」というタイトルで個別に紹介していた人である。彼の毛量および頭のサイズからすると、この防止はちょっと被りにくいように思える。それはオジギビトにとって、むしろ典型的な特徴と言える。

 ちょっと寂しげ(?)な感じというか、何か思うところあるような表情である。しかし、他の所に現れた彼は、またちょっと違う表情をしている場合がある。

京都府京都市北区上賀茂の東芝エレベータオジギビト(2010年12月)

 豊富な毛量はほぼそのままだが、明らかに朗らかな笑顔である。顔の輪郭も、ちょっと顎が尖り気味だったりする。別人ということではないのだろうが、ほんの少しの変化で、わりと印象が違って見えるものである。シンプルな描線だからこそ、というのもあるだろうか。

 この時、別のエレベーターの前で、赤い色が付いた彼を見掛けたのだが、写真を撮ろうとした時に残念ながら「撤収」となってしまった。しかし数ヶ月後、また別のエレベーターの前で、その「色付き」の彼に再会することができた。

京都府京都市北区上賀茂の東芝エレベータオジギビト(2011年3月)

 ネクタイと帽子の赤色が目を惹く。TOSHIBAの文字も赤である。顎の形がさらに変化しているのも見逃せない。もちろん同一人物と見なすべきだろうが、一番上の京都駅で出会った彼(恐らく「基本形」に一番近い?)と、この2011年に出会った幕上の彼は、かなり印象が異なる。

日立ビルシステムの人

 日立ビルシステムの人も、なかなかの古株である。この人も、メンテ系ではよく知られた人だろう。本部長が彼の存在を初めて意識し、写真に収めたのは1998年のことであった。彼は2022年現在に至るまで、変わらず現役を貫いている。

広島県東広島市・JR東広島駅日立ビルシステムオジギビト(2019年3月)

 彼は、東芝エレベータの人とは異なり、モノトーンを貫いているようである。オジギビト衆の中では、写実的な方ではなかろうか。

 しかし彼にも、ささやかながら(?)バリエーションが存在するようである。

北海道釧路市武佐の日立ビルシステムオジギビト(2016年8月/北海道支部長報告)

 基本的なオジギ姿勢は同じなのだが、全体的にディテールが省略され、輪郭線も太めになっている。しかし、髪の分け目だけは変わらずリアル的(?)表現を維持している。

三菱電機の人

 三菱電機ビルソリューション(旧称・三菱電機ビルテクノサービスの人は、簡略化・記号化の度合いが強い人である。日立の人とは逆の方向を目指した人と言えるだろうか。

福島県会津若松市三菱電機オジギビト(2008年3月/N.H.氏提供)

 懐かしさを纏いつつも、ある種独特のバランスを持った体格ももちろん目を惹くが、彼の場合は何と言っても極限まで単純化されたその笑顔が、最大の特徴と言えるだろう。シンプルになり過ぎの感も無きにしも非ず、という意見もあろうが、彼の場合はそれこそが強烈な個性となっているのである。ちなみにこの人、旧集会所では「シンプル・フェイス」というタイトルで個別に紹介していた。

 次の写真は、ある意味衝撃的な改変がなされた彼の姿である。

京都府宇治市三菱電機オジギビト(2014年3月/S.I.氏提供)

 何と、彼の豊かに盛り上がっていた頭髪が、大幅に削られるという悲劇が起こっていた。その理由はどうやら、彼の上方にあるオレンジの囲みの告知を配置するためと推定される。しかし彼はこれまで同様、ただただシンプルな線で微笑むのみである。

 ところで残念ながら本部長は、この人にはじかにお会いしたことがない。どうも巡り合わせが悪いようである。彼もなかなかの古株な気がするのだが……。

フジテックの人

 最後は、フジテックのメンテ人である。これまで紹介した三社とは異なる、我が道を行くタイプである。

北海道釧路市白樺台のフジテックメンテ人(2018年5月)

 首だけの、言わば「パーツ型」とでも言えるメンテ人である。欧米ならばただ単に文字だけで「調整中」と出すだけの、極めて味気ない掲示になるところである。しかし、高度簡略化されているとはいえ、メッセージの送り手となる警告人を添えるのは、さすが日本の企業と言える。

 しかしフジテックの人にも、もしかするとさらなるバリエーション展開が存在するかもしれない。日立や三菱、東芝の人々と同様、今後も注意してメンテの現場を見ていかねばならないだろう。