猛暑だ酷暑だ災害級の暑さだ……というのを全くの他人事としてニュースなどで見ていたが、どうやらこの道東地方太平洋側にも、今季一番の暑さが到来しているようである。とは言え、やはり他地域と比べると大幅に低いものであり、30度は超えていない模様。28〜29度といったところであるが、日中の室内はそれよりも数度高くなるので、エアコンなどがないと、「なかなか暑い」と感じる程度には暖まる。
ちなみに同じ道東方面でも、帯広では列島の他地域並みに、大変厳しい暑さの模様。内陸部というのが一因であろうか。
さて本題であるが、先の土日に家の物置を少々整理していたら、極めて懐かしい本が二冊出てきた。一方は「宇宙戦艦ヤマト」(松本零士 著)である。秋田書店から出ていた三巻の、第一巻ということになる。
「宇宙戦艦ヤマト」については、もはや説明不要であろう。ちなみに1977年発行で、34版であった(初版は1975年)。この一巻だけでイスカンダルへの旅を描ききっているので、物語的にはダイジェスト的なまとめ方にならざるを得ない。しかし、当初アニメでも出てくる予定だったという、キャプテン・ハーロック(=古代守)の話もちゃんと出てきたりする。
現在では電子書籍で入手できるのだが、何故かこの表紙から変更されているようである。
amazonのレビューでも、表紙は最初の方が良いという意見が見られる。この点は全く同意するところである。何故に変更したのだろうか。
松本氏による(第一巻の直接的な続きとしての)ヤマトのマンガは、その後三巻まで出ている。内容的には、テレビアニメの「ヤマト2」に倣っており、森雪の代わりのレーダー員として新米(あらこめ)が出てきたり、空間騎兵隊のヤマト乗船のタイミングと理由が、映画の「さらば」とは異なっている。アンドロメダのヤマト追撃も、見開きを何ページも使ってやっていたりする。三巻には「永遠のジュラ編」という、イスカンダルへの旅の途中で起こった出来事の話が収録されている。
二巻と三巻もどこかにあるはずなのだが、それらは未だ出てきていない。もちろん自分では捨ててはいないし、他者に捨てられてもいない……と信じたい。その辺りの行方や事情を一番知っていそうな母は、既に1年半ほど前に、そういう記憶も全て持っていってしまったので訊こうにも訊けない。また自然にポロリと出てくるのを期待するか……というところである。
ちなみに三巻の段階では、第11番惑星で空間騎兵隊の生存者を救出したところまでだったと記憶している。つまり、目指すテレザート星はまだまだ先という段階である。ここまでで「第一部 完」ということらしい。もちろん……と言うと何だが、それ以降の話は書かれていない。
第一巻の表紙をめくったところにある、著者のお言葉はこちら。一巻の内容も、さらに加筆補正したいという望みはおありだった模様。
機会はその後、幾らかあったのでは?と思ったりするが、多分その気は急速に失せたorすぐに忘れたのではなかろうか、と。その後の西崎氏とのあれこれが……というのはあまり関係ないか。
ヤマトのプロデューサーの西崎義展氏については、例えば以下の本を参照されたい。こんな人が本当に実在したのかと思わせるような、色々な意味でスゴい人物であったことがよくわかる。しかしこういう人でないと、「ヤマト」はここまでのヒット作とはならなかったのだろうな……と思ったりもする。
豊田氏の名前が出てきたので触れておくが、宇宙戦艦ヤマトには、かなり過酷な内容の小説版もある。
どう「過酷」なのかは、amazonのレビューなどを参照して戴けると、何となく(?)雰囲気が掴めるかもしれない(ややネタバレ気味であるが)。この本、自分はかな〜〜り前に、とある高校の文化祭で売られていたのを偶然発見、200円で入手した。しかし年月が経ち、非常に状態が悪くなってきたので、思い切って切り刻んでスキャンした(いわゆる「自炊」)。自分が読む分に関しては取り敢えず一安心というところだが、本書に関しては、是非とも紙の形で再販、あるいは電子書籍化(もちろん挿絵・表紙等込みで)の販売を望みたいところである。(その後のヤマト関連作品にも、「ボルゾン王」という名前とかスターシャの扱い・立ち位置とか、本作の要素が時折組み込まれていたりすることもあるようだし、それらの「原典」をもっと広く世の中に知らしめるという意味でも……)
さて二冊目は、西岸良平氏の短編集「地球最後の日」。1975年、初版である。しかし購入はそれよりもかな〜り(年単位で)後のような気がする。
西岸良平氏の作品と言えば、「三丁目の夕日」や「鎌倉ものがたり」が、やはりよく知られているだろうか。本書に収録されている物語は恐らく、それらで西岸作品に触れた人のイメージを、逆転させるようなものばかりだと思われる。
ちなみにこの表紙の中で、人々を襲う怪ロボットは、「全自動人間屠殺機」に登場する、人類絶滅を企む科学者が作り上げた殺戮マシンである。建物を攻撃する飛行物体は、「終りなき悪夢」に登場する地球侵略宇宙人の宇宙船。
本書は文庫版も出ていたりするのだが、最近になって「名作合本」というのも出た模様である。
表紙の左側に立つ仮面の人物は、表題作「地球最後の日」に登場する、銀河連盟の代表者カルビクッパ(という名前の人)。人類代表として、あまりにも大きな役目を負わされた本田健(右側の男)は、地球滅亡を回避するために孤軍奮闘するが……という話。その結末は、ぜひ本書を実際にお読みになっていただければと思う。
これら二冊が出てきたのは大変喜ばしい事であったが、こうなると今なお行方不明の「ヤマト」秋田書店刊単行本二巻・三巻の行方がますます気になってしまう。しかしこういうものは、血眼になって探すと、案外出てこないものでもある。というわけであまり執着せず、何かの機会にぽろりと出てくるのを待つことにしようかと……。
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