現在、日本列島は殆どの地域で猛暑らしい。「らしい」というのは、そんな猛暑とはほぼ無縁の地域に居るからであって、テレビのニュースなどで「災害級だ40度だ大変だ」というのを盛んにやっているのを見ると、あらまぁ大変ねぇ……などと思ってしまう(無論、その災害級の方も長いこと経験してきたので、よ〜〜く知っているが)。
猛暑の中、現場で働く方々にとって大変恐ろしいのは、言うまでもなく「熱中症」である。現場での作業で起こり得る種々の危険と共に、熱中症への注意喚起も重要な要素となっている。今回はそうした現場での熱中症への注意喚起に関する掲示、看板などの例を幾つか紹介してみたい。
現在、よく見掛けられそうなものの一つは、以下の写真のような細長い垂れ幕の形で、文字で注意を呼びかけるものであろうか。
熱中症リスク要因(熱中症にかかる温湿度条件)は、温度28度以上、湿度75%以上ということらしい。
熱中症にかかる前兆的な症状、状況について個別に解説するものもある。
ここに示されている事を参考にして、自分自身と他の人々の状態を常に気を付けることによって、熱中症にかかる危険をなるべく低くしよう、という掲示である。
次の例は、日付と撮影地、そしてロープからお分かりの通り、同じ現場の掲示である。熱中症にかかってしまった場合の、応急手当について示しているものである。
一番下に「作業前からスポーツドリンク!」とあるが、予防としてまず十分な水分を摂っておこうということだろう。応急手当として飲ませるものは、この掲示では経口補水液OS-1を指定している。
恐らくこの現場では、OS-1は当然の如く常備されていたことだろう。
熱中症に関する掲示としては、暑さへの「慣れ」について示しているものもあったりする。
最初の垂れ幕にもあったが、新規入場者はまだ暑さに慣れておらず、熱中症リスクがまだ高い段階なので注意すべき、ということを示している。この掲示では、だいたい7日もすれば暑さに慣れることができる(暑熱順化)ということである。
ところで最初に、猛暑とは殆ど無縁の地域と書いたが、本当にこの道東太平洋側は例外的に冷涼である。7月に入って少し暑くなったとは思うが、最高気温は大体20度から23度程度、これまでの今季の最高気温は確か27度であった。ちなみに7月20日の最高気温は、20度だった模様(室内は通常、数度高い)。
しかしそんな地域でも、油断は絶対に禁物である。次の写真は、既に十分涼しい(というか寒い)10月に出ていた掲示。
暦の上では既に秋、しかも列島内でも特に冷涼な地域の10月でも、取り敢えずこの掲示も出しておこうということになったのだろうか。しかし完全な厳冬期でもないので、やはり完全な油断はできないということか。秋でも冬でも、水分と塩分の十分な補給は大切なことである。
ところで熱中症に関する、このような注意喚起の掲示や看板は、2010年代に入ってから増えてきたような印象である。それ以前の写真をざっと確認してみたが、熱中症に関する注意喚起は見つけることができなかった。もしかしたら幾らかはあったのかもしれないが、現場での注意事項としてはまだ、ごくマイナーな部類だったのかもしれない。(別に軽視はしていなかったとは思うが、現場作業における注意事項として、敢えて言うまでもない事という感じだった?)
日本列島の暑い地域にお住まいの皆様は、くれぐれも熱中症にご注意下さい。
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