2024年の元日に発生した「令和6年能登半島地震」では、広範囲にわたり水道の供給が止まってしまったことが、特に問題となっている模様である。水道に問題が発生すると、特に影響大なのが「水洗トイレが使えなくなる」という衛生面の問題であり、報道でも繰り返し伝えられていることである。
能登半島の被災地域では、上水道の耐震化は既に進んでいたという話だが、今回の地震は想定を上回るものだったようである。自然というものは、しばしば……というよりは殆ど常に、人間の思惑を容易く超えてくるものだと痛感させられる。
では、水道の耐震化とは具体的にはどういうものかというと、地中でずれるような力が加わっても、管同士のつながりが簡単には途切れない工夫をした管に置き換える工事とのことである。
道東の釧路市内でも、2021年度中に、水道管の耐震化工事が色々な所で行われていた。
では、具体的にどのような水道管に置き換えるのだろうか。それを示した掲示はこちら。
幾つかの短い管が連結され、クレーンで持ち上げられている。このように持ち上げられても、管は互いの接続を保ったまま、弓形の一本の長い管の形を保っている。
古いタイプの水道管では、振動によって途中の接続が切れたりずれたりして、水の供給が寸断される。一方、地震に強い水道管では、地中で振動を受け、水道管を曲げようとする力が加わっても、容易には接続が断たれないようにしているようである。
では、水道管同士の接続部分はどうなっているのか?というのを示した看板もあった。
「継手部分が抜けにくくなっている」というのが、耐震化の工夫とのこと。
この図だけ見ると、地中での歪みに対応して、その部分の配管が緩やかに曲がるための作りかどうかは、ちょっと分からない感じではある。曲がるための仕組みというよりは、力がかかっても簡単には「抜けにくい」継手ということが、まず何より重要ということだと思われる。
せっかくなので(?)、この構造図を解説している人のアップを。最初の写真のゾウとは、「同僚」ということになるのだろうか。
2024年は能登半島地震や羽田空港の飛行機衝突事故という、非常に大変な状況で始まったわけだが、この後はなるべく「おだやかな」年であることを願うばかりである。