「オジギビト集会所」の移転作業も、いよいよ大詰めを迎えている。移転に伴い大幅なスリム化を行ったので、直立不動型オジギビト衆の個別の紹介も、新しい集会所では廃止されることになる。しかしその代わり、この本部長室でそれらを個々の記事として再構成しつつ紹介していくことにしたい。
今回は、旧本部長室でも続報(?)を出した例を合体編集しつつ紹介する。
下の写真は、2007年3月17日、NHK-BS「熱中時間」屋外ロケ終了後の帰り道で遭遇したオジギビトである。撮影地は東京都大田区西糀谷である。
ズボンと一体化した靴やはっきりした髪の分け目など、記号化・簡略化が進行した「今風」の人である。それらはまあ良いとして、彼と出会った時にまず注目せざるを得なかったのが、瞼の下から透ける瞳および薄い眉である(下の写真)。いびつな描線と薄さからして明らかにいたずら書きなのであるが、一方で「もしかして、これは新手の表現手法か?」と一瞬思ってしまったのも確か。少々不気味な存在として、長らく脳裏から離れない存在であった。
その後、彼の色つきバリエーションが、石川県内で発見された。やはりと言うか当然と言うか、あの瞳は無かった。
その後、約8年後の2015年5月に、またしても「透ける瞼を持つ人」が西糀谷に情報がもたらされた。かなり長いこと工事をやっていた、京急蒲田駅付近の現場にいた人である。
あの"TEZUKA PRO"の有名な人も、「透ける瞼」を持つ人に改造されていた。2007年のものと同じ人による犯行(というべきだろうな、やはり)だろうか……?
これまで本部長が見てきた限りでは、オジギビト衆は案外この種の楽書き的イタズラはされない感があるが、こういう極めてシンプルな例は、実は思ったよりも多くの現場で見られるのかもしれない。
ちなみに冒頭の「屋外ロケ」とは、本部長が「熱中時間」という番組の取材を受けた時のものである。