これまで2回にわたり、「縦長瞳の男」の活躍ぶりを紹介してきた。今回が(一応の)完結編である。今回は、直立不動型、ベンケイ型、そして見得切り型の彼の姿を見ていきたい。
直立不動型
まず最初は、オジギビトとして最も基本的な直立不動型の彼である。しかし彼の場合、通行人に対してあまりへりくだるような態度は示さない。むしろ高圧的ですらある。
ご覧の通り、オジギはしていない。厳しい顔で腕を組み、こちらを見据えている。伝えるべきメッセージが「立入禁止」であるため、こういう感じになったものと思われる。
次の例は、一応頭を下げている彼である。
目を閉じて軽く下を向き、黙祷するかのような彼である。しかし、通行人に対してはあまり「ご迷惑をお掛けしてすみません」的には思っていないかもしれない。メッセージの「作業しておりますから」の「から」の部分に、「仕方なく頭を下げている」的な感情が見え隠れしているように感じる。
ベンケイ型
ベンケイ型の姿勢を取る彼も、やはり存在する。既に「クローン疑惑の人々」の記事でも紹介したが、今一度ここで紹介しておきたい。
やはり、腕の出し方に、多少の違和感を感じずにはいられない。
もう少し新しめと思われる彼の姿もある。
この場合も、腕にやはり違和感を感じる(腹から腕が伸びているような……)。ちなみに彼の縦長瞳が、保護帽の上に被さっていないところも、逆に違和感を覚える部分である。背中に背負うオレンジのギザギザが、現場の危険性を訴える彼をサポートしている。
見得切り型
見得切り的ポーズを取る彼は、細かい違いを含めるとこれまでに四例見つかっている。下の写真は、典型的な見得切りポーズを取る彼である。
以前「アニメの中のオジギビト」でも紹介した通り、これと同じ看板が「映画クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」(1999年)に登場する。秩父の地下基地から、悪の組織"YUZAME"の巨大ロボットが地上に姿を現すシーンで、彼の見得切り姿を見る事ができる。
典型的見得切りポーズではない彼も見つかっている。一方の手をこちらに向け、もう一方の手でメッセージを指さしているため、見得切りと言うには幾らか違和感もある。かといってベンケイ的スタイルでもないので、こちらのカテゴリーに含めている。
ベンケイ型の場合と異なり、この姿勢の彼は、ちゃんと肩から腕が伸びているように見える。
土浦市で見掛けた彼は、背中に赤いギザギザを背負っており、一生懸命に危険を知らせていることが一目で見て取れる。口の感じも、必死さが現れている。
元画像の解像度の都合上、ややジャギーが目立つが、表情がちょっと違うのが分かる(瞳が正面を向き、口が閉じている)。残念ながらこの表情の彼には、未だ直接お目にかかったことはないのだが、いずれ出会うこともあるだろうと希望を持っている。
三回に渡り、縦長瞳の男について紹介してきたが、まだまだ全ての彼の活動を目撃できているとは言えないかもしれない。お馴染みの顔ではあるが、油断は禁物である。今後も彼をしつこく追い続けていかねば……と思っている。彼の完全引退は、まだまだ先に違いない。
2022年は、今回が最後の記事ということにしたい。集会所本体は、設置以来新しい写真や記事は増えていないが、「オジギ写真イッキ見」的な役割をしてくれていると思うので、お暇がある方は、たまにでもご覧になっていただけると幸いである。
それでは今年最後の締めくくりとして、寒い窓際でも生き延びているサボテンと、回収されたアサガオの種3つの写真を。
2023年も集会所と本部長室Rを、何卒よろしくお願い致します。