オジギビト集会所本部長室R

路上観察サイト「オジギビト集会所」本部長のブログ

【路上観察】不審物・不審者を見逃すな

 先日は防犯系の人々、特に痴漢や盗撮、窃盗を警戒する人々について紹介した。

ojigibito.hatenablog.com

 今回は、ますます重要性を帯びるテロ対策(不審物・不審者)警戒の例に加えて、児童を狙う不審者に関する注意喚起の例を幾つか紹介したい。

テロ重点警戒中

 下の写真は、近年の工事現場では時折併設されることのある「テロ警戒中」の看板である。北海道支部からの報告で、撮影地は釧路市阿寒町上阿寒である。

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北海道釧路市上阿寒(2021年8月)のテロ重点警戒中の二人

 二人のマンガ・アニメ調の女性(であろう、少なくとも下の方は間違いなく)が、「見逃しません!」「むむっ!」と睨みをきかせている。「テロ警戒中」の看板は、かつて本部長が住んでいた鳥取県内の現場でもしばしば見られたが、残念ながら文字だけのものばかりであった(例えば下の写真)。どうせ睨みをきかせるのであれば、ただの無害な通行人としても、このような方々にお願いしたいところである。

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鳥取県倉吉市(2007年3月)の堤防強化工事現場

 

 ただ、これらの看板に彼女たちの出自に関する記載が見当たらないのが、ちと残念なところである。国土交通省北海道開発局の方だろうか、あるいは山根土建だろうか……と思いつつ、少々探ってみたが確定的な情報は得られなかった。工事関連機材メーカーによる「製品」感は濃厚なので、その種のメーカーなどのカタログに、普通に掲載されている可能性はあるだろう。しかし今のご時世、山根土建の社員の方で、この方面の作業が多少器用にできる方が「こういうのどうでしょう?」的に描いてみたのが、社内で「おおこれは良いね!」という感じでウケて採用されて……というのも、意外と(??)無くもないかとも、ほんの少し思ったりもする(というか期待したくなる)。

 一方、北海道釧路市内の現場で確認された、テロ重点警戒中の掲示はこういうものであった。

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北海道釧路市武佐(2021年10月)のテロ対策警戒中二大組織

 パトカーと攻撃ヘリコプター(AH-64Dアパッチ・ロングボウと思われる)、すなわち警察と自衛隊の両組織が、テロ警戒で抜かりなく睨みをきかせているぞ……ということを示している。先の記事の女の子たちとは打って変わって実に物々しいという意見もあるかもしれないが、テロ警戒に死角無しということを示すには大いに効果的と言える。電話番号は記載されていないが、この場合は作業事務所の方へ直に報告するのが最も手っ取り早いという判断であろう(イタズラ電話対策の意味もあるかもしれないが)。

児童を狙う不審者に注意せよ

「不審者」にはテロリストのみならず、児童に対して良からぬことをしようとしたり、誘拐しようとしたりする者たちも当然含まれる。それらを警戒、注意喚起するための看板や張り紙も、古くから日本全国に数多く存在するものと思われる。

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兵庫県姫路市(2007年3月)の不審者警戒少女たち

 二人の少女が不審者に対して、見得切りポーズで厳しく拒絶の意を示している。よく見ると二人は手を繋いでおり、互いの団結(および信頼)の度合いが見て取れる。後方の少女は左手にかなり大きな手袋をしているが、これは手のひらのサイズを大幅増量という意味があるのだろうか。(そのままだと、より後方というのも相まって左手が小さく見えるから……)

 以下の例は、京都市左京区のとある校区で見られたものである。

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京都府京都市左京区(2009年9月、3枚目は2014年4月)の不審者対応児童

 不審者にはどう対応すべきかを、分かりやすく示している。しかし児童自身の警戒行動にも拘わらず、不審者が手を出してきた状況のものも、やはり存在する。

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埼玉県草加市(2009年9月)の危機に陥る児童

 この看板の1番目と2番目は、危機回避のための最低限度の策として、常に気をつけるべきことであろう。3番目の危機的状況では、とにかく「大声を出す」ことが最終防衛手段となる……というか殆どそうならざるを得ないだろう。先の京都市の例のように「すぐにげる」ができれば良いのだが、彼のように腕を掴まれたりすると……。「大声」も「逃げる」も、それらの行動により大人の支援を得られることが必要なので、「人の居ない場所は避ける」ということも常に心がけるべき防衛策と言えるだろう。

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滋賀県栗東市(2010年5月)の児童と警官

「知らない人についていかない」というメッセージが、やはりここでも強調されている。児童ができる自衛手段として基本中の基本、ということであろう。

 防犯系の看板や掲示は、先に述べたように全国に数多く存在すると思われ、今後も現場物件と併せて見ていきたいものである。