オジギビト集会所本部長室R

路上観察サイト「オジギビト集会所」本部長のブログ

【路上観察】防犯系の人々の活躍を見よ

 交通取締や防犯方面でも、数多くの人々がポスターや看板上で大活躍しているのは、先日の駐車禁止警告衆の記事でも紹介した。もちろん駐車禁止警告衆はこの方面では一大勢力であるが、他にも幾つかの防犯系の人々が、日夜我々の安全のために活動中である。

痴漢・盗撮関連の人々

 この痴漢・盗撮の警告衆は、駅など公共交通関連の場でよく見られる人々である。下の写真は、札幌の中央警察署の防犯キャラクター「防犯おねえさん」である。

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札幌市北区・麻生駅(2021年10月/北海道支部長報告)の防犯おねえさん

 防犯おねえさんが、「見てますよ!」と厳しい表情で見得切りポーズを取り、痴漢などの犯罪に対して警告を発している。
 この防犯おねえさんに関してネット検索をかけてみたのだが、中央警察署防犯キャラクターとして出てくるのは、自転車盗難防止啓発キャラクター「チュウろっくん」の方で、この防犯おねえさんはなかなか情報が出てこない。代わりに……というかこちらが恐らく「本体」なのだろうと思うが、「生身」の防犯おねえさんが、チュウろっくんと「共演」している動画は、真っ先に出てくるのだが……。このイラストタイプの防犯おねえさん、本体の方に比べると(ネット上に現れないほど)未だにマイナーな存在なのであろうか。それともまだまだ調べが甘いのか?

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京都府京都市左京区地下鉄烏丸線国際会館駅(2014年4月)のポリスまろんくん

これは京都市地下鉄烏丸線国際会館駅構内にあったものである。京都府警のシンボルマスコット「ポリスまろん」が、「盗撮あかん!!」と見得切りポーズを取っている。
 ついでにまろん君には、この少女にも「歩きスマホもあかん!!」とキツい警告をしてもらいたいものである。しかし、歩きスマホに夢中になると、盗撮犯に対する警戒も疎かになりがち(隙ができる)ということも、同時に示しているのかもしれない。

 これも国際会館駅のものである。

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京都府京都市左京区地下鉄烏丸線国際会館駅(2015年3月)の警官たち

 アメコミタッチの警官たちが、犯罪者を厳しく取り締まる様子が描写されている。男性警察官の投げる手錠の鎖の長さは、「警視-K」までは行かないまでもなかなかの長さである。これに捕らえられては、いかに卑劣な痴漢犯罪者でもひとたまりも無いだろう。(なお、警視-Kの「投げ手錠」の長さは5メートルとのこと)
 ちなみに左下の黒い箱部分に、描いた人の名前が記載されている。インスタグラムの方で確認できたが、本業はUI/UXデザイナーとのことである。

 

 次の例は、取り締まる側の人々(警察官)ではなく、被害者の方を前面に押し出したものである。現場オジギビト衆の中には、「犠牲者型」という怪我を負った児童の看板もあるが、防犯方面でも、「被害者」を前面に出して警告する形式のもの(言わば「被害者型」)が存在するわけである。

 以下の写真は、京都市左京区叡山電車一乗寺駅で撮影されたものである。

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京都府京都市左京区叡山電車一乗寺駅(2013年4月)の狙われるフトモモ

 灰色の手袋に黒いスマホ、そしてスマホの上では邪悪な一つ目の顔が笑みを浮かべている。エスカレーター上での犯行であろうか。
 一瞬、「このフトモモとヒカガミはいったい!?」と見る者をちょっとびっくりさせてしまうような感もあるが、メッセージとしては、どういう状況で何が狙われるのかを極めて端的に示している。

 そしてこの例も、犯罪被害者にフォーカスした例である。盗撮に気づいた瞬間であろうか。

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愛知県名古屋市・JR名古屋駅(2015年8月)の狙われる少女

 痴漢や盗撮関係の他にも、駅構内などでの犯罪行為関係の例は他にもあり、いろいろ工夫を凝らしたものが各地でありそうだが、今はちょっと(地理的・社会情勢的な理由で)出会う機会がない。まあいずれそのうち……というところである。
 今は取り敢えず、ネット上に防犯おねえさん(イラストタイプ)の情報が増えてくるかどうかが、個人的には少しばかり気に掛かることである。

万引き・窃盗関連の人々

 もちろん、痴漢や盗撮のみならず、万引きやひったくりといった窃盗行為に目を光らせる人々もいる。

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京都府京都市左京区叡山電車宝ヶ池駅(2017年5月)のまん防警告衆

 これは京都市左京区叡山電車宝ヶ池駅で遭遇した、万引き防止・警戒中の掲示である。「まんぼう」とは「万防」、つまり万引き防止の略で、新型コロナウイルス流行が進んだ2020年のある時期に「そういう略し方は不謹慎だ」などの批判が出たりしてちょっと話題になった「まん延防止」の略に先んじて使われている略語の模様(とはいえ別にこちらの意味の方が一般化しているわけでもなかったのだが……)。

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万引き犯を確保するマンボウ警官

「まん延防止」の方は「この大変な状況でふざけるな!」という感じで、メディアで使われたのもごく短期間に留まったが、こちらの「万引き防止」の方は思いっきりふざけている(と言うと怒られるか?)。まさかこの万引き犯も、マンボウ顔の警官にとっ捕まるとは思っていなかったであろう。

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見得切りポーズを決める警官

 そしてこちらは万引き警戒中を、見得切りポーズで示す女性警察官である。ちょっときつめの眼差しに、「万引き絶対許すまじ」という強固な意志が見える。

 ひったくりに注意するように警告するものも存在する。以下の例は、「被害者型」と言えるものである。

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京都市中京区・地下鉄烏丸線烏丸御池駅(2010年2月)のひったくり被害の瞬間

 交番が出している「交番速報」に描かれていた、ひったくりの様子である。他の交番速報は、わりと手がかかったキレイなものが多いのに、これはあまりにも良い味が出過ぎていて素晴らしい。工事現場の看板にも、このような感じの人の復活(復権というべきか)を望みたいところである。
 まあそれはそれとして、ひったくりにはくれぐれも気をつけたい。

 防犯系の中には、不審物や不審者に注意するよう呼びかけているものもあるが、それはまた別の機会ということにしたい。

 

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