オジギビト集会所本部長室R

路上観察サイト「オジギビト集会所」本部長のブログ

【海外路上観察】世界の「スコップ使い」たち

 日本国内の現場でおなじみの「スコップ使い」は、海外でも活動が確認されている。今回は集会所移転・リニューアルで省かれたコンテンツ「海外オジギビトモドキ」の中から、世界のスコップ使いを再度紹介したい。(写真が少々小さめなのはどうかご勘弁を……そして「世界の」と言いつつ割と限定的なのも)

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日本のスコップ使い

ヨーロッパ

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アイルランド・ダブリン市のスコップ使い

 これは道路工事をしている事を示す、スコップ使い標識である。45度傾けられて固定されているのは御愛嬌。日本のものに近いと言えるが、作業者の前後には何も無く、スコップにも土砂などは盛られていない様子。

 

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イギリス・Windermere (H.T.氏提供)のスコップ使い

 これは日本のものにそっくりな作業姿の標識である。"END"とは恐らく、「工事の範囲はここで終了」という意味であろう。

 

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ドイツ・ハノーファー市のスコップ使い

 イギリスや日本のものとほぼ同じスタイルであるが、人物はピクト化が高度に進んでいる。下の標識は、道路の幅員減少を示している。

 

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ドイツ・ミュンヘン市郊外(関東支部長報告)のスコップ使い

 ハノーファー市のものとはまた異なるスコップ使いである。頭には保護帽ではなく、帽子を被っているらしい。

 

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フランス・パリ市、国立美術学校付近 (関東支部長報告)のスコップ使い

 やはりフランスにもスコップ使いがいた。この標識には収まりきらない山にスコップを突き刺している模様。ところで頭と首の境目辺りから伸びる線は何だろうか?

 

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フランス・パリ市 、バスチーユ広場へ通じる道 (関東支部長報告)の自走式スコップ使い

 国立美術学校で確認されたものと同じであるが、道路の清掃車両(水を撒きながら回転ブラシで 路面をこする車)の車列の、最後尾の車の上でスコップを使うという、いわゆる「自走型」である。しかも特筆すべきは、三角形の各頂点のランプである。自走電飾型とでも言うべきだろうか。

 

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フランス・パリ市 (関東支部長報告)のスコップ使い

 国立美術学校などで確認されたものとは異なる、より写実的なシルエットのスコップ使いである。日本では、スコップ使いのスタイルは、一番最初の写真の形で決まっているが、フランスでは必ずしもそうではないのだろうか(これはドイツなどにも言えるが)。欧州では、彼らは「道交法などの範囲外=結構自由」ということなのだろうか。

 

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イタリア・フィレンツェ、シニョリーア広場・ベッキオ宮殿 (関東支部長報告)のスコップ使い

 ドイツのものと同系列の、ピクト化が進んだイタリアンスコップ使いである。上半身の角度というか腰の入り方加減が、他の欧州スコップ使いとはひと味違う感じが少々。

 

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イタリア・シエナ(K.Y.氏提供)のスコップ使い

 フィレンツェで確認されたものとはまた違うスコップ使いである。これは工務店独自のものであろうか。

 

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オーストリア・ウィーン市、シュテファン寺院裏(関東支部長報告)のスコップ使い

 これまで確認された欧州スコップ使いの中では、最もリアルな外観を持つ人物である。この写真ではちょっと分かりにくいかとは思うが、シャツを腕まくりして労働に励んでいるようである。

 こうして見ると同じ国の中でも結構見た目の異なるスコップ使いが活躍しており、欧州では今後、さらに独創的なスコップ使いが発生する可能性もある。日本のオジギビトのような展開はちょっと難しいかもしれないが、欧州路上観察における一つの楽しみ、と言える存在かもしれない。

アフリカ

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スペイン領カナリア諸島ラスパルマス港(関東支部長報告)のスコップ使い

 関東支部長の友人の方が海洋調査の際に寄港した際、発見されたスコップ使いとのこと。概ね欧州の人々と同様であるが、第一にスペイン本国のスコップ使いとの比較をしたいところである。

 

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セネガルダカール市(関東支部長報告)のスコップ使い

 これも関東支部長の友人の方が撮影した、スコップ使いである。欧州で確認された人々より明らかに足が長い。旧宗主国であるフランスのスコップ使いたちと似ているとは言いがたく、やはりセネガル独自の人ということになるだろうか。

 

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南アフリカ共和国(T.K.氏提供)のスコップ使い

「パラソルの人の標識」と聞いていたのでどんな感じの人なのかと思ったら、やはりスコップ使いの人だった。まあ確かに、スコップを差し入れている山が単純な三角形なためか、「半開きのパラソルを持ち上げようとしている人」に見えなくもない。

アジア

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中華民国台北市、中央研究院近辺のスコップ使い

 日本のものとよく似ているが、被っているものが編み笠のような形である。保護帽(ヘルメット)と言うよりは、日よけ帽的なものであろうか。

 

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香港(H.K.氏提供)のスコップ使い

 香港市内で確認されたスコップ使いである。多分にヨーロッパ的ではあるが、イギリスなどのものとは若干の差異があるようである(こちらの方が少しカクカク感があるような)。

アメリカおよびハワイ

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カナダ・バンクーバー市(T.K.氏提供)の標識持ち

 今回はスコップ使いを紹介するはずなのに、「スコップを使っていない」人である。これは道路工事をしている事を示す標識。手に持っている物は恐らく"STOP"とか"CAUTION"と書かれた標識なのであろう。

 

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アメリカ合衆国・ハワイ島(N.H.氏提供)の標識持ち

 カナダのものと同様の「スコップを使っていない」人である。よく見ると、右手の先端が少し持ち上がっているようである。ただ立ち尽くすよりも、ある意味「動的」というか、「積極性」が感じられる仕草と言えよう。

 

 この「土砂にスコップを突き刺す人影」の基本形を維持しつつも、様々なスコップ使い衆が世界各地で活躍しているに違いない。今後も、海外における重要路上観察対象として、大いに注目していきたい人々である。