オジギビト集会所本部長室R

路上観察サイト「オジギビト集会所」本部長のブログ

【オジギビト】縦長瞳の男大行進(1)

 先の記事「クローン疑惑の人々(2)」では、オジギビト界でも有名人の一人、「縦長瞳の男」について言及した。

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 今回は、その「縦長瞳の男」の活躍を紹介してみたい。まずはオジギビトの基本形である直立不動型やベンケイ型……と思ったのだが、この人がいかに現場で大活躍しているかを知っていただくために、「内輪型」、すなわち現場作業者に対して各種の注意喚起や警告を行っているタイプについて紹介したい。

 しかし数が結構あるので、一枚一枚、高解像度の写真で並べると、なかなか大変なことになる。そういうわけで、ここでは小さめの写真の塊で出す事にしたい。その点、ご了承いただけると幸いである。

内輪型警告の縦長瞳の男(1)

「清潔 清掃」の看板は、保護帽を脱いでいるので彼の髪型がはっきり分かる、ある意味貴重なシーンである。

内輪型警告の縦長瞳の男(2)

 少々ボケ気味の写真もあるが、これらは確かかなり厳しい条件で撮影された写真を、Photoshopで何とかしたもののはずである。遠くで、しかも斜めから撮らざるを得なかったものだったと記憶している。
「全員協力 ケガ人出すな」で分かるように、彼にもちゃんと同僚はいる

内輪型警告の縦長瞳の男(3)

「作業中くわえタバコ禁止」では、彼は保護帽越しに殴られているが、保護帽があってもそれなりのダメージを受けているようである。
「現場一斉清掃日」の人たちは、解像度の問題でこの写真からははっきり分からないかもしれないが、どうもいつもの彼と違う感じに見える(少し顔の感じが違うような……)。

内輪型警告の縦長瞳の男(4)

「たばこは吸殻入れへ 紙屑はクズ箱へ」は、手だけである。これは本当に彼の手なのか?という疑問もあるかもしれない。手や服の特徴、この現場での他の看板の顔ぶれ(左に「整理整頓」の彼が見える)からして、この手も彼の手だと判断した。

内輪型警告の縦長瞳の男(5)

「第三者に迷惑をかけるな」の彼は、いつもの彼とはちょっと違う雰囲気を持っている感じがある。縦長瞳の伸び具合が、少しだけ足りないからだろうか。
「落下物注意」は、かなり昔からこの場所で使われている、いわゆる「常勤タイプ」のようだった。そのため、全体に渡りかなり退色している。

内輪型警告の縦長瞳の男(6)

 横型の看板である。「喫煙所」があるということは、多分「トイレ」もあると思うのだが、残念ながら出会えていない。"TEZUKA PRODUCTION"の彼に関しては、20年近く前に名古屋市内で出会えているが……。

 今回は内輪型の彼(および同僚)について、出会えているものをまとめて紹介してみた。次は直立不動型など、オジギビトの主要タイプの彼について紹介したい。

【オジギビト】加齢?

 12月17日の夜から降り始めた雪は、朝までにはやんでいた。しかしこの降雪が、釧路地方の実質的な初積雪となった。日中にかなり溶けていったが、これが今季の根雪になる可能性が高い。

実質的な初積雪(2022年12月17−18日)・松の木の上の雪を寄りで。

 さて本題である。今回は、これまで2回にわたり紹介したクローン疑惑の人々ではなく、時間的変化の結果こうなったのでは?と思われる例を一つ、紹介したい。
 この人は、鳥取市で出会った直立不動オジギビトである。

鳥取県鳥取市松並町の直立不動オジギビト(2007年5月)

 身体の線の角張り加減などが、何となく版画的な表現と思わせなくもない、大変スタンダードな直立オジギビトである。活動範囲は不明だが、島根県大田市でも彼の活動が確認されている。
 もしかして、「その後の彼」では?と思われる様子が、神奈川県の鎌倉市で発見された。

神奈川県鎌倉市由比ヶ浜鎌倉海浜公園 江ノ電タンコロ107号横 (2008年4月/K.Y.氏提供)

 作業服が灰色のより地味なものになった一方、ネクタイは白から青緑と派手なものに変わった。保護帽は左腕に抱えていないのだが、姿勢は全く同じである。右手がやや肥大化しているが、何かあったのだろうか。
 しかし何よりも変わったのは、彼の頭部であろう。帽子で隠してはいるが、かなりの高確率で禿頭と思われる。過去に保護帽を抱えていた名残の張り出した左腕が、被られた帽子(およびその下の様子)と相まって、ある種特異な(?)感慨を呼ぶ……と言うとやや大袈裟か。
 ただ、この禿頭の彼も、山陰で出会った髪ふさふさの彼の、アレンジの効いたクローンである可能性はある。その後、どちらの彼にも殆ど出会えてはいないのだが、できればまたお会いしたいものである(特に禿頭の彼の方にはじかにお会いしたい……)。

 

【オジギビト】クローン疑惑の人々(2)

 先の記事では、クローンの可能性がある人々について、幾つかの例を紹介した。

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 今回は、日本国内に住む誰もが一度は出会ったことがあると思われる、あの「縦長瞳の男」のクローン疑惑がある人々について紹介したい。

 この人が、オジギビト界では超有名人の一人、「縦長瞳の男」である。この顔を見て、「ああ、知ってる」と思った方も多いのではなかろうか。

茨城県つくば市天久保で活動する縦長瞳の男(1998年2月)

 このポーズは変形見得切り型とでも言うべきだろうか。この人は基本的に、このようなちょっと厳しめの表情で、現場での警告業務に当たっている。縦長瞳が保護帽の上に被さっているのは、彼の特徴の一つである。
 この見得切り姿勢の彼のクローンと思われる人の例が、東海支部長によってもたらされていた。

静岡県静岡市駿河区の変形見得切り人(2007年6月/東海支部長報告)

 ポーズ自体は同じだが、縦長瞳の男に比べるとちょっと頼りない感じというか、やや締まりのなさを感じてしまう。何だか、全体的に「角が取れた」という印象であるが、それはクローン化でディテールが幾分殺がれたせいかもしれない。逆に、可愛さは増しているようである。
 こうして改めて見ると、上着の内側(首回り)がよく分からない構造になっていることに気付く。これはクローン化の際に、保護帽の顎ひもが顎ひもとして認識されず、「首の下に何か帯状のものがある」的な感じで写し取られた結果かもしれない(顎の直下の三角が、もしかすると顎ひも?)。上着の左襟が無いのは、単なるうっかりミスだろうか。
 最も目を惹くのは、瞳が丸くなったことである。保護帽の上まで掛かるほどの縦長感はぐっと弱まり、眉間のシワ的なものも無くなっている。しかも瞳に二つずつ、ハイライトまで入っている。鼻が三角形になったのは、クローン化の際に付加されたオリジナリティであろう。

 この変形見得切りスタイルでは、さらにもう一つ、クローンの例がある。

京都府京都市左京区上高野の変形見得切り人(2010年1月)

 首回りの構造と上着の左襟欠損、三角形の鼻、カールした左耳たぶなどからして、これは縦長瞳の男からの直接的なクローンではなく、先に紹介したつぶらな瞳の彼と深い関係があると思われる。唯一の相違点は、目である。
 可能性として最も高いのは、縦長瞳の男から一方がクローンで生まれた後、それを元にしてさらにクローンが……ということだと思われる。どちらが先に生まれたのであろうか。
 ただその場合、左襟の欠損は明らかなミスとして、後に発生した方でちゃんと修正される可能性も少なくない。そうすると、「目だけが違う変種」が同時に発生した可能性も捨てきれないわけである。真相はどちらが近いのか、興味は尽きない。

 彼に関してはもう一つ、果たしてクローンなのか?と思ってしまう例がある。これは、既にお馴染みのベンケイスタイルの彼である。

茨城県つくば市天久保のベンケイ型縦長瞳の男(1997年12月)

 両腕がどんな感じで出ているのか、ちょっと分からない感じの彼は、多くの人々が見たことがあるのではなかろうか。
 その彼にそっくりの人が、滋賀県の田園地帯の真っ只中で、ベンケイスタイルを取っていた。

滋賀県近江八幡市上田のベンケイ型の彼に似た人(2012年5月)

 保護帽の上に被さるような縦長瞳、団子っ鼻、口の感じなどは明らかに、見慣れた彼のものである。しかし顔の輪郭が不明瞭というか、ちゃんと固まった輪郭が無いように見えてしまう。しかも首から下は、これまで慣れ親しんだ彼のものとは異なる、別の人の身体のような印象である。顔が「真っ白」ということにも一見して違和感を覚えたが、やはり身体の感じと手の出し方が、「いつもの彼じゃない」感濃厚であった。彼はクローンというよりも、キメラというべきなのかもしれない。
 もしかすると、長年活躍してきた「縦長瞳の男」の後を継ぐために、「正規ルート」で生まれてきた可能性もある。しかしその真逆で、非常にローカルなものかもしれない(その後どこに行ってもこの人には出会っていないし……)。現状ではどうも後者の可能性が否定できないが、油断せずにこの縦長瞳の男モドキの活動……というか出現を、見逃さないようにしたいところである。

 旧集会所では、この「縦長瞳の男」について特別室を設置し、現場における彼の活躍ぶりを特集していた。いずれこの本部長室Rでも、同じように彼の多種多様な活躍の様子を紹介してみたい。

【オジギビト】クローン疑惑の人々(1)

 先の「テレビ番組で声を付けられた人」の記事でも触れたが、「この人はあの人の偽者なのでは?」と思われる人々が、オジギビト界には存在する。つまり、あるオジギビトを真似て(お手本にして)、生み出された人々である。偽者というよりは、クローンと表現すべきだろうか。
 今回は、「クローンかもしれない人々」を、紹介してみたい。最初は「テレビ番組で声を付けられた人」の場合である。

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 この人は少なくとも20年以上に渡り、全国的に活躍している有名人である。大変お馴染みの顔ということもあるのか、このような掲示にも素材として使われる場合もある。

東京駅丸の内口の有名オジギビト(2016年11月)

 恐らくこの掲示の彼は、大林組の人によって、写真から切り抜かれて貼り付けられたものと思われる。彼自身にはクローン的改変はされていないので、取り敢えず「本物」ということになるだろうか(デジタル感が加わっているが……)。
 彼のクローンと思われる人は、2010年に京都市内で発見された(下の写真)。

京都市下京区のハニワ的な人(2010年9月)

 何というか、ハニワ的な雰囲気が漂う顔つきになっているが、全体の感じは彼にそっくりである。最も変化しているのは輪郭線である。この変化の仕方は、「コピー機でコピーした絵をさらにコピーして……」という作業を、何十回も繰り返したかのような感じにも見える。あるいはもしかすると、この強弱が激しい輪郭線は、完全に意図的なものなのだろうか?
 クローン化の際になぜか、口の左端が上がり、右端は逆に下がるという変化をしているのは見逃せない点である。結果として、何か意味あり気な薄笑いを浮かべているような表情となっており、オリジナルの「純粋にこやか笑顔」とは明らかに一線を画するものである。このへんは、クローン化(?)の際に注入された「オリジナリティ」とでも言うべき部分かもしれない。

 次に紹介するのは、とり・みき氏の著作でも取り上げられた有名人の例である。

鳥取県倉吉市のベテラン無表情オジギビト(2009年4月)

 この人は、とり氏の「街角のオジギビト」では、「無表情」というタイトルで紹介されている(P82-83)。同じくとり氏のマンガ「愛のさかあがり」でも紹介されている人で、この本の初出を考えると、少なくとも1980年代後半辺りから現在に至るまで、活躍し続けている超ベテランの一人である。
 この人のクローンなのでは?と思われる人が、この人である。

北海道札幌市西区のちょっと愛想が良さそうな人(2007年10月)

 無表情(ちょっと薄笑い?)の彼と比較すると、幾らか愛想の良さそうな表情を浮かべている。身体の輪郭線の一致度からして、無表情な彼が元になっている可能性は高い。既に80年代から活躍し続けている彼の後を継ぐため、偽者ではなく正式な「二代目」としてデビューした可能性もある。実際、現場で出会う率は、先代(?)よりもこの人の方が、幾分高くなっているような気がする。

 他に分かりやすいクローン的な人はいないだろうかと写真を眺めていたら、先の「耳が取っ手の人」にも、どうやらそうなのでは?という人が見つかった。

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静岡県静岡市駿河区の人(2006年10月/東海支部長報告)

 輪郭線の均一的な感じが、何となく「元絵をマジックでなぞった」感がある。紙や安全靴など、ディテールが潰れ気味なのも、その印象を強めている。鼻が丸形の団子っ鼻ではなくなっているのは、オリジナリティを出した所と言えるだろうか。

 クローン疑惑がある人々は、あの有名人「縦長瞳の男」にも幾つか確認されている。それらの例については、また後日紹介してみたい。

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【オジギビト】テレビ番組で声が付けられた人

 先のオジギビトに関する記事「耳が取っ手の人」で、一言「偽者」について触れた。つまり、既にあるオジギビトを真似て生み出されたと思われる人々も、やはり存在する。

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 その偽者たちについて紹介する前に、テレビ番組で声が付けられたオジギビトについて、紹介しておきたい。

 この人は、既に20年以上に渡り、全国の様々な現場で活躍している人である(正確なデビュー時期は不明)。もちろん今現在も、現役のはずである。

鳥取県倉吉市円谷町の有名オジギビト(2001年3月)

 2006年5月31日に放送されたトリビアの泉」(フジテレビ)の中のコーナー「トリビアの種」は、このオジギビトに最も相応しい声を、アニメの音響監督が選ぶというものであった。声を考えるうえで重要な資料となる人物設定(メーカーではなく番組独自のもの?)は、
名前:「安全 守(あんぜん まもる)」
年齢:32歳(1973年7月1日生)
肩書き:現場代理人
性格:温厚
趣味:ゴルフ
という事であった。

 声優オーディションは、事前に選考された声優の方々が、それぞれの代表的キャラクターの演技で「お願い 御迷惑をお掛けして居ります 工事中御協力をお願いいたします」(上の写真参照)というセリフを言う形式であった。

 番組内では13人のオーディションの様子が放送されたが、その結果最適とされたのは、ブラッド・ピットチャーリー・シーン等の日本語吹替をされている堀内賢雄の声だった。その理由は、「騒音に紛れない存在感がありながら、繰り返し聞いても疲れず、逆に守られているような安心感がある」というものだった。大いに同意できるが、堀内氏と共に「宇宙船レッド・ドワーフ」で主要人物の声を吹替えておられた、山寺宏一江原正士の声もアリかもしれない……と個人的には思ったものである。
 声優オーディションで最も大笑いしたのは、ちびまる子ちゃん」の永沢君の声を担当されている茶風林のもの。永沢君の感じで声を当てておられたのだが、確かに永沢君では逆に工事現場の方が危ない。同じく「まる子」の登場人物で、茶風林氏が兼任しておられるヒデじいの感じならば、安心感は絶大だろう。しかし安全守氏の設定より歳が行きすぎた感じになるし、ヒデじいのような模範的紳士の感じは、さすがにちょっと合わない。スタートレックエンタープライズ」のドクター・フロックス風だったら温和な好人物なのだが……とも思ったが、それではあまりにもまとも過ぎるかもしれない。フジテレビ系列のアニメで、なおかつ「ウケが狙える」キャラということで、永沢君が選ばれたのだろう。

京都府八幡市の安全守氏(2007年11月/かぶ氏提供)

 ちなみにこの番組の放映直後、この番組を見たある人(多分若い女性)が、顔出しで出演されていた茶風林氏について「永沢みたいで嫌な感じだ。陰湿そうな顔つきだ」と、非常に失礼千万な事をネット上で吐いていたのを見掛けた(本当)。完全に、「永沢君というキャラを演じる人」というイメージだけからの、脊髄反射的な放言である。この人、同じアニメ内の、あの温厚な紳士の声を誰が担当しているのか、全く気付いていないのだなぁ……と思ったものである。あれから16年以上経つわけだが、この人はその事実に気付いただろうか。それとも、今でもSNSなどで、この種の放言をばらまき続けているのだろうか。

 この番組では、この有名オジギビトの声について選考が行なわれたわけだが、例えば先の「耳たぶが取っ手の人」の場合は、また違った方の声が、より似合っているのではと思う。街で見掛けたオジギビトの姿形に合いそうな声を、ちょっと考えてみるのも一興かもしれない。

(なお本番組の動画は、動画投稿サイトを探せば見つかる可能性はある)

 そして最初に戻るが、安全守氏の偽者と思われる人には、一度だけ出くわしたことがある。他の偽者衆と併せて、後日紹介することにしたい(忘れるかもしれないが)

 

 ところで先の「耳たぶが取っ手の人」についてオマケ的に一つ。かぶ氏から提供された写真の彼(取っ手状耳たぶではないバージョンの方)は、目にちょっと違和感がある人だった。

京都市中京区の目の辺りに違和感がある彼(2007年10月/かぶ氏提供)

 どうやら、以前紹介した「透ける瞼」の彼のように、瞼の上に瞳を描き加えられたようである。まあ、こういう感じの目なので、瞳を描き加えたくなる気持ちも分からないではない。

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【本】「研究者のための「意味のないこと」をやらない技術」リリース

 本日2022年11月25日、ミニ本「研究者のための「意味のないこと」をやらない技術」がリリースされたので、こちらでお知らせを少々。著者名は「Bowing Man」である。

 amazon楽天など複数の電子書籍販売サイトで発売中である。

 これまでの研究者・学生向け本も、何とぞよろしくお願い致します。

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【オジギビト】耳が取っ手の人

 路上観察サイト「オジギビト集会所」は、その前身である「筑波オジギビト集会所」から数えると、既に24年以上、地味に細々と続いていることになる。

 一番最初に集会所で紹介した人は誰だったのか、過去の記録を辿ると、どうやらこの直立不動型の人になるようである。銀塩カメラで撮影した写真のプリントを、スキャナで取り込んだ画像である。

東京都千代田区外神田のオジギビト(1997年12月)

 千代田区外神田、つまり秋葉原で撮影された人である。未だ現役を続けている人である。正確な登場時期は不明(とり・みき氏の本にも手掛かり無し)。

 実はこの人、もう一つバリエーションが存在する。それが下の写真である。

高知県南国市物部・高知大学構内のオジギビト(2005年11月)

 口の両端の線(頬のふっくら感の表現か)が無く、服のシワの付き方にも、若干の違いがある。襟も白抜きになっている。そしてやはり目を惹くのは、彼の耳たぶである。

取っ手状の耳たぶ

 肌の色が付いていない部分があり、そのせいで耳たぶが取っ手状になっている。バリエーション展開の時に、意図的にそういうデザインに決まったのだろうか。あるいは単なる塗り忘れか。両耳ともに白抜きなので、意図的な感じがするが……。一番上の写真の彼は、かなり色白ながら肌にも一応、うっすら色が付いているのが見て取れるのだが、耳たぶには全て色が付いているようである。

 ちなみにこの人、とり・みき氏の「街角のオジギビト」では、「かぶれない」というタイトルのページで紹介されていた(2-02, 51ページ)。つまり被れない保護帽を持っている人の一人として、紹介されていた。とり氏もやはり、耳と襟が白抜きのバリエーションがあることを指摘していた。

バリエーション比較

 もしかして、耳が取っ手状のバージョンは、色白バージョンの偽者なのか?という疑惑も浮かんだが、どちらが先かをはっきりさせない限り、断定できないことである。ただ、偽者にしては元の人と比較しても「ちゃんとまとまっている感」があるし、やはり同系列のバリエーションである可能性が高いように思える。

京都府京都市左京区田中上柳町叡山電車出町柳駅構内の彼(2009年12月)

 これは、出町柳駅の工事現場に立っていた彼の写真である。大勢の人々がいたため、遠方かつ斜め方向からの、かなり撮影しにくい状況であった。しかしこのあまり良くない写真からでも、保護帽の色や、靴のディテールに更なる変化が生じていることが見て取れる。口の両端に線があるので、取っ手状耳たぶの方ではないと言えるだろう。
 この人は全国的にメジャーな人で、出会ったことのある人も多いことだろう。本部長自身は既にその存在をはっきり認識して四半世紀で、すっかりお馴染みの人ではあるが、やはり今後も注目していかねばならない人のような気がしてきた。

 ところでオジギビトの耳に関しては、もう一つ記事があるので、そちらも併せてご覧戴ければと思う。

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オジギビト集会所」は、biglobeからWixに引っ越した時に、その性質を「図鑑」から「写真集」に転換し、個別のオジギビトへのコメント・解説などは、大幅に削減される事となった。その役目は、この「本部長室R」が担うことにすれば良いと考えている。そういうわけで、集会所の方に既に出ている人々も、今後こちらでピックアップしていく予定である。

 今後も「集会所」と、この「本部長室R」を何とぞよろしくお願い致します。