先の記事で、「新7K」という運動を推進している看板について紹介した。
「新7K」とは、「期待・気概・希望・快適な環境・感動・休暇・給料」とのことである。先の記事でも書いたように、「○S」ならば幾つか見たことがあるが、「○K」という運動は記憶にないということで、今一度ざっと写真群を見直してみた。しかし「○K」の方はやはり出てこず……という結果であった。
ということで、ついでと言っては何だが、工事現場における「○S」運動やその他の運動について、ここで紹介してみたい。
まずは基本の形と思われる「4S運動」について。
あの有名な縦長瞳の男が、4S運動について紹介している。4Sとはすなわち、「整理・整頓・清潔・清掃」ということである。これにもう一つ加わったのが、5S運動である。
4S+1Sで5Sというわけだが、付け加わったのは「しつけ(躾)」である。作業員の方々を子供扱いしているようにも思えるかもしれないが、中には多少「教育」(=しつけ)が必要なケースも、やはり少なからずあるのだろう(こうして推進運動になるほどに……)。しかし、それも円滑で事故のない作業遂行のためである。
積水ハウスの現場でも、やはり付け加わった一つは「躾」であった。現場作業員の人が、上着の下にスーパーマンのようなコスチュームを身につけており、そのマークは「S」ではなく「5S」である。そして左には、転落中の気の毒な作業員の姿が……。「抜くなKY!」とあるが、現場におけるKYとは「空気読め」ではなく、「危険予知」のことである。
さらにもう一つ加えた、6Sも存在していた。
付け加わった6番目のSは、「親切」である。作業者同士というのもあるだろうが、一般の通行人などに対しても、親切にせよということも含まれているかもしれない。この直立オジギビトも、6S運動には積極的に取り組んでいるに違いない。
先の積水ハウスの現場で「KY」という言葉が出てきたが、「KY運動」というものもやはりあったりする。
危険予知および事前回避のために、必ず行うべき確認や行動について、明文化して提示している。安全確認に関しては、次のような「グッパー運動」というものもあった。
グッパー運動とは、大田区の方の例で具体的に示されている通り、重機を運用する際の合図である。この写真では分かりにくいが、草津市の例は、油圧ショベルの上に貼られたものであった。
大田区の方ではもう一つ、「一声かけ運動」というものも示されていた。この一声かけ運動はもちろん危険予知・安全確保のためのものであるが、次の例を見ると、また別の目的もある模様である。
まあ、中にはうるさすぎて鬱陶しい人もいたり、逆に殆ど声など出したがらない人もいるのかもしれない。しかし現場の安全確保のためには、必要に応じて周囲に分かる形で声を掛けたりするのは、大変有効なことだろう。
重機の操作に関するものとしては、次の写真のようなものもあった。「3・3・3運動」というものである。
クレーン作業(玉掛け)に関して、安全を確保するために大事な「3」という数字について、3つ提示されている。
重機の運用に限らず、様々な場面で重要な「指差」の運動もある。
これは「指差確認」を行うようにして、ミスが起こる率を下げる運動である。これは確かに効果ありなので、この運動を普段から励行している人は、日常生活でも時々やってしまう人がいるかもしれない。
やや変わったところでは、下の写真のようなものも。
三井ホームの「こんにちは運動」である。その運動自体は大変良いことであるが、この看板には少々気になることが一つある。この三井ホーム専属オジギビト、長いこと全国で活躍し続けている、あの"TEZUKA PRODUCTION"の人に、ちょっと……というよりはかなり、似ている気がするのだが。多分……というよりまず確実に、参考にしているはずである。
これまで撮った写真を(ざっとではあるが)見回してみたが、結局「○K」関連の運動は、残念ながら見当たらなかった。果たして「○K運動」が他の現場でも(実はフツーに)出ていたりするのか、今後も注意して見ていかねばならないだろう。