先日は、バス関係のオジギビト衆について少々紹介した。
交通関係では、やはり鉄道関係の人々が、一大勢力を誇っているように思われる。しかし、車両内で活動する人々は、現在に至るまで案外出会えていない事が、改めて写真を見直してみて分かった。(吊り広告などの人々は除外。その鉄道会社に所属する人に関してである)
その数少ない例が、JR西日本所属の、この人である。
この人は、倉吉市から大栄町(現・北栄町)に向かう途中で、車両内の運賃箱の上で活動していた人である。典型的かつ理想的な、直立不動オジギビトと言える。制帽をつばの部分で持つスタイルのおかげなのか、現場オジギビトにありがちな「被り物と頭のサイズの圧倒的差異」も少ない(若干帽子は小さめ?)。ネクタイのJRの白文字がちょっとオシャレ。
この出会いから9年後に、やはり山陰本線の車両内で、この人が未だ活躍中という情報がもたらされた。
モノトーンになってはいたが、紛れもなく運賃箱のあの人である。補助座席が故障している事を、陳謝していた。
彼は今もまだ現役なのだろうか。デザイン的には非常に完成された直立不動オジギビトなので、その可能性は大いにある。末永く、山陰本線の車両内で活躍してほしいものである。
(JR西日本で広く活躍中というわけではなく、恐らく「山陰本線専属の人」と思われる)
ところで最初に、車両内の広告の人は除外するという事だったが、この人だけはここで、敢えて紹介しておきたい。
消費者金融の会社の広告で、何故か工事現場作業員の格好でオジギしていた人である。そのまま、現場の看板上でオジギしていても、全く違和感がない。伊東に行く途中の車両内で、出会った人である。
本部長は2007年にNHKの衛星放送でやっていた「熱中時間」という番組で、「オジギビト熱中人」として出た事があるのだが、その時にNHK側から「紹介すべきではない人」とされたのが、実はこの人であった。
この人の場合は「企業広告の人」という事が、NHKとしては「難あり」と見なされたものと思われる(さらに「金貸しの人」というのも、もしかすると理由に入っていたかもしれない)。
スタジオ撮影の際、直前の最終チェックで、壁一面に並べた写真群の中にこの人が混じっていないか問われたのだが、幸いにして混入はしていなかった。あの時点でこっそり混じっていたりしたら、ちょっと面倒な事になっていたかもしれない。
車両内で活躍する人々にはちょっとご縁がないが、駅で活躍する人々には、これまで何人も出会っている。これらの人々は、またの機会に紹介してみたい。