オジギビト集会所本部長室R

路上観察サイト「オジギビト集会所」本部長のブログ

【Mac】古いペンタブレットをmacOS Montereyで使えるようにする

 自宅のネット環境がようやく改善されたので、膨大なデータ量を使うmacOSの更新もできるようになった。バージョンとしては、macOS Mojave(10.14)からMonterey(12.4)へのアップデートである。32bitアプリとの決別を意味する大幅アップデートであるが、その辺りは「代替策」と「割り切り」である。しかしやはり最後に残ったのが、たまにしか使わないが対応していないとやはり落ち着かない「ワコムペンタブレットのドライバ」の更新である。

 ペンタブはIntuos4、2009年4月発売の旧機種……もといなかなかのベテラン周辺機器である。実は2018年にMojaveにアップデートした時も、ドライバ絡みで「ただポインタが動かせる黒い板」状態になり、何をどうしたかの具体的なところはすっかり忘れたものの、それ以前の機能拡張などを手動で移植するなどして、何とか正常動作するようにした記憶がある。ちなみに「ただポインタを動かせる板」状態になると、下の写真のように、ペンタブ上に配置されているボタン右側の表示も消えて、通電ランプが一つ点るだけとなる。もちろん、ボタンに割り振られた機能も、全く使えない状態になる。筆圧検知もせず、さらにペン先の位置を検知する領域も、若干狭くなるというオマケも付く。つまり、ペンタブとしてはほぼ「死んだ」状態となるわけである。

左:ドライバが正常に機能している状態、右:ただポインタが動かせる板状態

 今回はちょっと離れたバージョンへのOSアップデートだったので、同じ手は使えないだろうと思っていたら、案の定もっと厄介なことになっていた。

 ワコムのサイトの、ドライバ関連のトラブルシューティングを見ると、Montereyでペンタブを動作させるには、ドライバのバージョンが6.3.44-2以降の製品対応が必要とのことだった。10年以上前のIntuos4の、現状での対応ドライバのバージョンを調べてみると、6.3.41-2ということで、「これは駄目か?」と思いつつ、メーカー側から提示された検索結果に従ってダウンロードした。この時配布されていたドライバの最新バージョンは6.3.46-1であった。どうも提供されている情報に細かい時間差があるような気もするが、この場合は6.3.41-2の方を試してみることにした。

 新しいドライバをインストールするためには、まず最初に、古いドライバをアンインストールする必要がある(上書きされない)。しかし、バージョン10から12への、わりと離れたOSアップデートなので、構造的なところに幾らか変化があり、メーカーの言うとおりには行かないだろうと思ったら……やはり予測通りであった。まず第一のステップとして、アプリケーションの中にある「Wacomタブレットユーティリティ」で「タブレットソフトウェア」のアンインストールを実行すると、レインボーカーソルが回り続けたままの状態となった。

 これは全く駄目だということでユーティリティを強制終了し、手動でアンインストール、再インストールすることにした。つまりあらゆるところから、"wacom"の名が付く書類を片っ端から捨てて回るわけである。書類名はメーカー側の情報とは多少異なっていたりしたが、とにかく"wacom"の名が付くものを、手動アンインストールの手順に従って取り除いていった。(Spotlight検索だけではごく一部の書類しか出てこないので、全てを見つけて除去することは不可能)

 そして再起動後、予めダウンロードしてあったバージョン6.3.41-2のドライバをインストールし、さらに再起動を行った。

 しかしこれで全て終わりではない。最後にセキュリティ設定を行わないと、正常に機能しないとのことなので、Monterey向けのドライバに関するトラブルシューティングを見つつ、「システム環境設定」内の「セキュリティ設定」のプライバシー設定で、ワコム関連のもの(アクセシビリティと入力監視に関するもの)に全てチェックを入れた。

 そして結果は……これで正解、成功であった。最初の写真の左側の状態に復帰、筆圧感知も正常。大変めでたいことである。これで発売から13年以上経過したペンタブも、しばらくは現役で使えるわけである。ドライバは一応、最新のバージョンのものもダウンロードしておいたのだが、メーカーが推奨する若干前のバージョンで大丈夫なようなので、敢えて最新のものにすることはしないでおくことにした。最初にそちらで試してみて、駄目ならばダウングレード措置……というのが良かったかもしれない。しかしそれは、次に不具合が起きた場合にやってみれば良いことである。

 

 しかし何のためにお前のような者がペンタブを?という疑問も出てくるだろうが、写真をあれこれしたりする場合に、やはりこういう機械はちょっと便利だったりするのである。当時なら、より廉価なペンタブのBambooも既にあったのでは?という意見も、もしかするとあるかもしれない。もちろん存在は知っていたし、実際Bambooも持っていたが、「なんか知らんがIntuosも目についたので買ってしまった」のである。たまにしか使わないが結構気に入ったので、Intuosの方ばかり使うようになってしまった。(Bambooは、当時所属していた仕事場を去る時に、ある人に譲ってしまった……今頃どうしていることか)

 

[rakuten:wacomstore:10000468:detail]

[rakuten:wacomstore:10000461:detail]

[rakuten:wacomstore:10000496:detail]

[rakuten:biccamera:11909608:detail]

【現場外オジギビト】郵便局の人々(民営化直前)写真発掘など

 数日前、とうとう旧本部長室(biglobe)へのアクセスが不可能になり、完全閉鎖が確認された。これを機会に、本集会所の現在の名称から「R」を取ろうかとも思ったのだが、以前は「無印」のものもあったという記録(?)も兼ねて、そのままにしておくことにした。

 

 さて本題である。先日、郵政民営化直前の郵便局オジギビト男女ペアの写真が発掘されたので、紹介しておきたい。

鳥取県倉吉市の郵便局オジギビトペア(2007年9月)

 
 この郵便局男女オジギペアも、翌月10月からはゆうちょ銀行の人々ということになったわけである。これまで出会った現場外オジギビトの中でも、頭身が高い方の人々である。(現場外オジギビトは、現場の人々よりも頭身が高めの傾向があるように思える)

 

 ついでに……というわけではないが、ショッピングモール内の銀行ATMコーナーの人の写真も出しておきたい。これは発掘ではなく、2022年7月撮影の「最新」のものである。

北海道釧路郡釧路町・イオン釧路店内のATMの人(2022年7月)

 どうやら「いらすとや」の人っぽいのだが、確定的なことは言えない。「そっくりさん」は方々にいるので、間違いなくそうだと言い切れない場合が、しばしばあるように感じる。

 しかし、同じ店舗内の洋食店の中にあった掲示の人は、高確率でいらすとや出身だと思われる。違うだろうか?

北海道釧路郡釧路町・イオン釧路店内の洋食店の人(2022年7月)

 事情により掲示のど真ん中が全反射しているのは、何とぞ大目に見てやっていただければ幸いである。

ojigibito.hatenablog.com

ojigibito.hatenablog.com

【本】「研究者のコミュニケーション術」リリース

 2022年7月8日、本部長が書いたミニ本3冊目「研究者のコミュニケーション術」がリリースされたので、この場を借りてお知らせを。amazon楽天など複数の電子書籍販売サイトで発売中である。(著者名はこれまでと同じ、「Bowing Man」である)

 内容は、サブタイトルにもはっきり書かれているとおり、研究の現場にしばしば出現する、アカハラパワハラ、そしてセクハラの種を蒔く典型的な人種の生態と、それらへの対処へのヒント的なものである。つまり、これらの困った人々にどう対処し、いかに自分を守るか、という意味での「コミュニケーション術」である。良好な人間関係がきちんとできているのであれば、日常生活と同様に「ごく普通」の態度で接すれば、研究者同士のコミュニケーションは何の問題も無く円滑に行える。しかしどの業界でもそうだが、時として信じがたいようなイレギュラー因子が、コミュニティの真っ只中にぶち込まれることもある。本書では、研究教育の世界で発生する典型的なパワハラ加害者のタイプと、重大なセクハラ問題に発展し得る、とある「現象」などについて、ごく簡単に紹介している。

 本書は、「研究の現場に湧いて出る、困った者ども」を垣間見られるということで、研究者以外の方々にもお楽しみいただける……かもしれない。セクハラ絡みの所は、ごく軽い「きっかけ」に過ぎないようにも思えることだが、周囲からすると「もうそんな時代ではないのに……」と思ってしまうことである。研究の外の世界の方々からも、「未だにこんなことをさせる奴がいるのか」、そして「それに乗っかる奴もどうなのか」という感想が出るのではないかと思う。

 先に出版された2冊も、本書共々、何とぞ宜しくお願い致します。

【オジギビト】メンテナンスの人々

 7月2日に発生したKDDIの通信障害は、思った以上に長引いているようである。どのように地域差が出ているのかは分からないが、2日から3日の釧路市および釧路町では、データ通信はほぼ問題ない一方、音声通話が全くダメという様子であった。

 ジタバタしても仕方ない、というのは分かっているつもりでも、やはり普段使えるものが突然ダメになるというのは、いざそれが現実となると、予測していた以上に不便なものである。ようやくこの障害も解消に向かっているようだが、すぐにまた、全く同じことを繰り返しそうな予感も少々(某銀行がしばしばやらかすATM障害みたいに)。予感が完全に外れることを祈りたい。

 

 さて今回は、オジギビト衆の中から、ごく短時間現れてさっと立ち去る、エレベーターやエスカレーターメンテ系の人々を紹介したい。

東芝エレベータの人

 最初に紹介するのは、東芝エレベータの人である。この人は、かなり広く知られた人ではないだろうか。

京都府京都市・JR京都駅の東芝エレベータオジギビト(2010年3月)

 旧集会所では、「豊富な毛量」というタイトルで個別に紹介していた人である。彼の毛量および頭のサイズからすると、この防止はちょっと被りにくいように思える。それはオジギビトにとって、むしろ典型的な特徴と言える。

 ちょっと寂しげ(?)な感じというか、何か思うところあるような表情である。しかし、他の所に現れた彼は、またちょっと違う表情をしている場合がある。

京都府京都市北区上賀茂の東芝エレベータオジギビト(2010年12月)

 豊富な毛量はほぼそのままだが、明らかに朗らかな笑顔である。顔の輪郭も、ちょっと顎が尖り気味だったりする。別人ということではないのだろうが、ほんの少しの変化で、わりと印象が違って見えるものである。シンプルな描線だからこそ、というのもあるだろうか。

 この時、別のエレベーターの前で、赤い色が付いた彼を見掛けたのだが、写真を撮ろうとした時に残念ながら「撤収」となってしまった。しかし数ヶ月後、また別のエレベーターの前で、その「色付き」の彼に再会することができた。

京都府京都市北区上賀茂の東芝エレベータオジギビト(2011年3月)

 ネクタイと帽子の赤色が目を惹く。TOSHIBAの文字も赤である。顎の形がさらに変化しているのも見逃せない。もちろん同一人物と見なすべきだろうが、一番上の京都駅で出会った彼(恐らく「基本形」に一番近い?)と、この2011年に出会った幕上の彼は、かなり印象が異なる。

日立ビルシステムの人

 日立ビルシステムの人も、なかなかの古株である。この人も、メンテ系ではよく知られた人だろう。本部長が彼の存在を初めて意識し、写真に収めたのは1998年のことであった。彼は2022年現在に至るまで、変わらず現役を貫いている。

広島県東広島市・JR東広島駅日立ビルシステムオジギビト(2019年3月)

 彼は、東芝エレベータの人とは異なり、モノトーンを貫いているようである。オジギビト衆の中では、写実的な方ではなかろうか。

 しかし彼にも、ささやかながら(?)バリエーションが存在するようである。

北海道釧路市武佐の日立ビルシステムオジギビト(2016年8月/北海道支部長報告)

 基本的なオジギ姿勢は同じなのだが、全体的にディテールが省略され、輪郭線も太めになっている。しかし、髪の分け目だけは変わらずリアル的(?)表現を維持している。

三菱電機の人

 三菱電機ビルソリューション(旧称・三菱電機ビルテクノサービスの人は、簡略化・記号化の度合いが強い人である。日立の人とは逆の方向を目指した人と言えるだろうか。

福島県会津若松市三菱電機オジギビト(2008年3月/N.H.氏提供)

 懐かしさを纏いつつも、ある種独特のバランスを持った体格ももちろん目を惹くが、彼の場合は何と言っても極限まで単純化されたその笑顔が、最大の特徴と言えるだろう。シンプルになり過ぎの感も無きにしも非ず、という意見もあろうが、彼の場合はそれこそが強烈な個性となっているのである。ちなみにこの人、旧集会所では「シンプル・フェイス」というタイトルで個別に紹介していた。

 次の写真は、ある意味衝撃的な改変がなされた彼の姿である。

京都府宇治市三菱電機オジギビト(2014年3月/S.I.氏提供)

 何と、彼の豊かに盛り上がっていた頭髪が、大幅に削られるという悲劇が起こっていた。その理由はどうやら、彼の上方にあるオレンジの囲みの告知を配置するためと推定される。しかし彼はこれまで同様、ただただシンプルな線で微笑むのみである。

 ところで残念ながら本部長は、この人にはじかにお会いしたことがない。どうも巡り合わせが悪いようである。彼もなかなかの古株な気がするのだが……。

フジテックの人

 最後は、フジテックのメンテ人である。これまで紹介した三社とは異なる、我が道を行くタイプである。

北海道釧路市白樺台のフジテックメンテ人(2018年5月)

 首だけの、言わば「パーツ型」とでも言えるメンテ人である。欧米ならばただ単に文字だけで「調整中」と出すだけの、極めて味気ない掲示になるところである。しかし、高度簡略化されているとはいえ、メッセージの送り手となる警告人を添えるのは、さすが日本の企業と言える。

 しかしフジテックの人にも、もしかするとさらなるバリエーション展開が存在するかもしれない。日立や三菱、東芝の人々と同様、今後も注意してメンテの現場を見ていかねばならないだろう。

【雑記】オレンジ警報

 連日、ニュースで、猛暑だ!電気が足りなくなる!と騒いでいるが、相変わらず道東地方太平洋沿岸地域は、別世界のような涼しさである。梅雨前線が北の方まで上がってきたせいとかで、本格的な雨が降ったりしているせいで、さらに涼しくなっている。29日の最高気温は、20度だったとのことである。

 しかしそんな涼しさでも、雑草には十分なようである。先日、ふと通りかかった公園に、タンポポに混じって鮮やかなオレンジ色の花が大量に咲いていた。

コウリンタンポポ(2022年6月20日

 調べたところ、どうやらコウリンタンポポ外来種帰化植物)らしい。昔はこんなに咲いていなかったと思ったのだが、単に気付かなかっただけだろうか。Wikipediaには、「北海道ではブルーリストでA2「本道の生態系等へ大きな影響を及ぼしており、防除対策の必要性について検討する外来種」に指定」という記載があった。どうやら、あまり放置してもまずい(かもしれない)植物らしい。(かといって一生懸命取る気も無い……うちの庭に侵入したら徹底して取るが)

外来種の三色(2022年6月20日

 このオレンジ色で思い出したが、まだオジギビト集会所本体にも出していなかったオジギビトが一人いた。

京都府京都市北区上賀茂のオレンジ人(2013年1月)

 樹脂製の板の上に、青色一色で描かれた、直立不動オジギビトである。どうやらこの人、以前紹介した「顔がテカるベテランオジギビト」にかなり近い仲間のようである。体型は多少違ったりするが、服装などは共通点が多い。鼻の形や眉の太さ、耳のディテールなどに少し違いはあるが、顔がテカっている人々から派生したと言っても、問題は無さそうである。

ojigibito.hatenablog.com

 この人も改めて見ると、看板の大きさに比べてかなり控えめな感じである。(「控えめに佇む人々」については、以下の過去記事を参照)

ojigibito.hatenablog.com

 この人、いずれ紹介して差し上げねば……と思いつつ、9年半も経過してしまった。集会所本体にも出しておこうかと思ったが、まあ暫くは良いかとも。

 

【現場外オジギビト】自動販売機の人々

 世の中、「暑い!猛暑だ!!」と大いに騒いでいるようだが、道東地方太平洋側は、そんな暑さとは全く無縁の気候である。さすがに先週の木曜(16日)あたりを境に、気温がぐっと上がった感はあるのだが、24日までの最高気温は確か、摂氏23度ちょっとくらいだったと記憶している。今年の夏は全国的に暑いということだが、それくらいでようやく「ちょうど良い」か「ちょっと暑いかも?」的な感じになるかもしれない。

 今年は気温の上がり方が明らかに緩慢なようで、庭のギョウジャニンニクは一応芽は出したものの、あまり大きく成長せずに黄色く変色してしまった。チューリップも、昨年は複数本咲いたのに、今年は一本だけという状況であった。しかし、アスパラガスだけは何故か、元気に伸びてくる。元々寒さに強いのだろうか。

 ちなみにうちには、エアコンは、無い。必要が無いからである。

 

 さて本題である。今回は現場外オジギビト衆の中から、自動販売機の上で活動している人々を紹介してみたい。まずは、この人から。

鳥取県東伯郡三朝町山田の自販機の人(2003年12月)

 左胸のマークからも見て取れるように、コカ・コーラボトラーズの人である。ちゃんと専属の人を用意したということだろうか。しかし、その後同じ自動販売機上に現れた人は、どうやら素材集の人のようである。

鳥取県東伯郡三朝町山田の自販機の告知人(2007年9月)

 恐らく現場で作ったものだろうが、敢えて(?)白黒というのが、急ごしらえ感を演出している。

 さらにその後、同じ自動販売機に現れた人は、掲示全体がカラフルであった。

鳥取県東伯郡三朝町山田の自販機の人(2008年2月)

 上下方向に少々圧縮されているせいか、なかなか恰幅が良い人である。一応、髪に分け目らしきものがある。改めてこの写真を見直すと、一瞬だが彼の青いネクタイが、「口から吐き出されるスライム状物体」に見えた。

 次の例は、ファミレスに置かれたカプセルトイ販売機上の人である。これも自販機の範疇に入れて問題ないだろう。

京都府京都市中京区・ガスト京都丸太町店の子供(2010年4月)

 カプセルトイ販売機の上で、「ガストコイン」が使用不可能である事を知らせている、児童オジギビトである。左京区のガストでもこの児童は見かけたので、もしかするとガスト専属のオジギ児童なのだろうか? 長い長い睫毛に加えて、極端に短い腕が、可愛らしさを倍増させているようである。

 次の例は、京都市内のある病院の、地下に設置されていた自販機の人である。

京都府京都市北区鞍馬口医療センターの自販機の人(2016年4月)

 キリンビバレッジサービスの専属の人だろうか。頭髪のてかりと、意外と複雑なラインを描く前髪が目を惹く。

 次は、またしてもコカ・コーラボトラーズの人である。

京都府京都市北区地下鉄烏丸線北大路駅の自販機の人(2019年2月)

 なかなかの巨顔ぶりを見せつけている女性オジギビトである。しかし全体的には非常に整った、落ち着きさえ感じさせる人でもある。2000年代終盤あたりから、こういう「巨顔」な人々は現場オジギビトの中にも増えてきており、それらの多くは一つの素材から派生したものと考えられる(またの機会に紹介する予定)。しかしこの自販機の人は、それらとは別系列の人の模様。コカコーラ専属なのだろうか。

 自販機は、現場外オジギビト衆が活躍する場としては目に付きやすく、また出現頻度も高い。今後も注意して見ていきたい。

【オジギビト】大きな人々

  先日は、「控えめに佇む」オジギビトについて紹介した。

ojigibito.hatenablog.com

 この控えめな人々、看板内での存在が控えめな場合と、実際のサイズ自体が非常に小さく抑えられている場合の二通りがある。

 今回はその逆の、サイズがとにかく大きい人々の例について、幾つか紹介してみたい。

 まずはサンキ建設の現場から。

京都府京都市左京区梅ノ木町の女性(2010年8月)

 軽自動車と比べると分かるように、このオジギ女性のサイズは、普通の人間とだいたい同じ程度のようである。

 それほどの大サイズでもないが、サンキ建設の人をもう一人。

京都府京都市左京区のふくよかな人(2013年1月)

 この肉付きが結構良さげな人は、別の会社でも活躍している人である(服の色が違っていたりする)。恐らく、上のオジギ女性よりも長く、サンキ建設の方で活躍しているのではなかろうか。サイズとしては、やや小さめ(子供程度?)であるものの、レイアウトの仕方と服の色のせいか、結構目立つ存在である。

 その後しばらく経ってから、さらにもう一人、サンキ建設の人に出会うことができた。この人はなかなかの大サイズである。

京都府京都市左京区の人(2019年1月)

 非常に典型的かつ現代的な、整った直立不動オジギビトである。この人が、今後はサンキ建設でのスタンダードになるのだろうか。上のちょっとふくよかな人はまあ良しとして(?)、一番最初に紹介したオジギ女性は、今後も変わらず現場でどんどん活躍してほしいものである。

 大サイズの人たちは、固い素材(プラスチックや金属、紙など)でできた看板ではなく、このように柔軟な垂れ幕などの上に配置されるのが、最も多いと思われる。取り回しが固い板よりも簡単で、比較的大きなものを作りやすいのが、その理由だろう。

 

 次は装研の現場の例である。「オジギしていない」とかツッコまれそうだが、まあ今回紹介する顔ぶれに入れてあげても良いだろう(高所で頑張っていることだし……)。

京都府京都市山科区の高所の人(2011年4月)

 高層建築物(マンションと推定)の覆いの上で、作業服姿の人が微笑んでいる(赤矢印)。コンビニの周辺を歩いている人々との対比で、実はこの高所の人が、実際の人間と同等のサイズであることが見て取れる。

 もう一例、装研の現場の例を。

京都府京都市山科区の高所の人(2012年5月)

 これもマンションの改装現場である。天候や光の加減を考慮しても、一年前の現場のものは結構色褪せていたようである。

 ちなみに、彼が一転して小サイズになった掲示もあった。

京都府京都市山科区の小サイズになった人(2012年5月)

 この人とメッセージの距離感などからすると、この掲示はどうやら「お手製」のものと思われる。全体の感じからしても、実はこの人も「素材集の人」なのか……と思ったりもするが、まああまり深く追求する必要もないだろう。(「社内で自由に使える素材」と考えることもできる)

 

 最後に、「自走式」の大サイズ人を紹介しておきたい。下の例は、旧集会所で「見た目は最高齢?」というタイトルで紹介していた人である。

京都府京都市左京区岩倉の自走式老科学者オジギビト(2014年4月)

 本集会所で紹介しているオジギビト衆の中では、少なくとも見た目は一番の最高齢かと思われる。帽子や白衣など「博士」的な感じなのはやはり、住宅用断熱素材のハイテクぶり(「科学技術の結晶!」ということ)をそれとなくアピールする目的もあるのだろうか。

 トラックの後部ドアの内側という、結構変わった場所でオジギしている珍しい(かもしれない)例である。しかし作業時はドアを開放することになるので、ドアの内側というのはなかなか合理的とも言えるだろう。

 

 そういえばもう一人、「自走式」の大サイズオジギビトがいた。「立体発光オジギビト」の記事の中で紹介した人である。ここでも再度、写真を出しておきたい。

兵庫県神戸市東灘区田中町の平面化ライトボーイ(2008年10月)

 この人は、非常に間近で見られたということもあって、なかなかのインパクトであった。

ojigibito.hatenablog.com

 

 一番最初のオジギ女性を含めた、女性オジギビト衆の活躍ぶりについては、また後日紹介したい。